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囚われの身***11
恐ろしさのあまり身体が竦み上がる。
「胸を弄られただけでも感じるのか?」
いったい何をされるのか判らない不安と恐怖で込み上げてくる涙で、今やマライカの視界は歪んでいる。だからファリスの輪郭がぼやけて今ひとつはっきりしないものの、その口調には相変わらず軽蔑と皮肉が込められていた。
胸の飾りにあった手は、腹部から腰へと、マライカの肢体をしなやかになぞっていく。
「……い、いや」
初めての行為の何もかもに怯え、震えてしまう。
それなのに――……。
自分の身体はどうしたのだろう。ファリスに触れられるたびに熱を持ち、一物は何かを期待して蜜を零しているのだ。
「初心を装い、ダールを夢中にさせたか? ――だとすれば、お前は相当な淫乱だな」
ファリスの言葉を否定したくてマライカは弱々しく首を振る。けれどそれさえも彼は気に入らない様子だった。彼はマライカのヒップスカーフとズボンを引き摺り下ろした。太腿をいっそう割り開く。さらには秘められた後孔さえもファリスに差し出すようなあられもない姿で露わになった。
「い、やだ」
怯える唇は真っ青で血の気が失せている。どうかこれが悪い夢であって欲しいとマライカは首を振り続けた。
「厭? お前のここは、これほどはしたなく涎を垂れ流しにしているのに、か?」
マライカの一物を象るようになぞると、甘い痺れが宿り、小刻みに震えた。
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