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囚われの身***15
マライカは歓喜の嬌声を上げ、一気に昇り詰める。すると彼も限界を感じたのか、男らしいくぐもった声を上げ、マライカの最奥へと白濁を注ぎ込んだ。
身を焦がすほどの熱い迸りがマライカの体内へとだくだくと注ぎ込まれる。彼のものが体内に混ざり合い、溶け込んだことを感じれば、マライカもまた、彼に続いて果てた。
一筋の涙が頬を滑り落ちる。弾力を帯びた何かが涙を受け止めた。
マライカの脳裏には、父親が盗賊に襲われ、積み荷を奪われて命を絶つ寸前だったこと、初恋の男性を胸に秘め、ダールの元へ嫁ぐことが奔流のように流れて渦を巻く。
おぞましい現実から逃れたい一身で広い胸板に縋り、意識が途絶えるまでしゃくりを上げて咽び泣いた。
《囚われの身・完》
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