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苦痛。***7
ターヘルは顆粒が入った小さな袋を破り、マライカの口に入れ、それから水を飲むようコップを傾けた。
苦痛で顔が歪むのが自分でもよく判る。
今の自分はこれほどまで弱っているのかと思えば、情けなくてしょうがない。
とにかく、飲むという動作だけでも苦痛なのだ。
頭がひどく痛む。それに全身は鈍い痛みを訴えている。
「ひとりになりたいんだけど、いい?」
マライカはターヘルに横にさせてもらうなり、口を開いた。
「はい。わかりました。あの、隣の部屋にいるので、もし、傷が痛んだり我慢できなくなったら言ってくださいね」
ターヘルは恭しくお辞儀をすると、ナイトテーブルに置いていたトレイを持った。
小さな影が横切る影を追うが、痛みに耐えるマライカの体力は限界だった。ベッドに力なく身体を沈ませると、静かに目を閉じた。
(今のぼくに出来ることがあるとすれば、神に両親が無事であるよう祈りを捧げることくらいだ……)
マライカは自分にそう言い聞かせた。
《苦痛・完》
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