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再会と別れ。***4

「お頭~! お宝わんさかありますぜ!!」  喜々とした声は、この陰湿な部屋には不似合いなほど響いている。 「持てるだけにしておけ。時期に城の兵士が来る。すぐにここを出るぞ」  ファリスはそう言うと、マライカの顎を固定する。上を向かせ、再び口づけを落とした。同時に苦い錠剤を喉の奥に押しやられ、嚥下する。  与えられた薬は抑制剤だとすぐに判った。 「もう5分ほど経てば薬も効いてくる。お前は自由だ」 「ファリス……」  マライカが呼んでももう振り向きもしない。それはマライカが、自分はもう用済みになったのだと悟った瞬間だった。  ハイサムの頭は仲間と共に満点の星々が輝く夜の闇へ遠ざかっていく。ファリスを見送るマライカは、歯を食いしばり嗚咽さえも漏らすことなく涙を流し続けた。 《再会と別れ。・完》

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