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明けない夜***6

「ごめん、なさい……」  自分はなんと役立たずで愚かな生き物なのだろうか。 「ごめんなさい」  マライカの小さな胸が罪悪感に蝕まれる。  そもそも自分なんて生まれなければ良かった。  そうすれば、両親はいつまでも健在で幸せに暮らせただろうに……。  胸が痛い。  生きていることが辛い。    心臓が押し潰されそうだ。マライカは声を殺して泣き続けた。 《明けない夜・完》

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