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仕組まれた出会いと策略。***8
マライカのみぞおちにギリギリと靴底がめり込む。
マライカのうめき声が怒り狂う彼を慰める糧になっているのだ。
「お前の両親は地下牢に閉じ込めておるよ、すべてお前の愚かさが招いた種だ。仕方がないだろう? お前がハイサムなんぞという盗賊に掴まったのだからな」
ダールは忌々しげに口を開く。
「彼奴 は王宮の兵士だった頃から気にくわなかったんだ。闇のオークションで人間を売買する組織があることを嗅ぎつけやがった。儂が主催者だとバレるのも時間の問題だ。おかげで商売上がったりじゃねぇか。そんな時だ。死の病に罹った人間を脱獄させたんだ。馬鹿な奴よ。おっ死んじまう人間なんて放って置けば盗人になんかならずに今も平和に王宮でぬくぬく過ごせてたってのにな。だがまあ、儂にとっては嬉しい誤算だった」
ダールはうっとりとした表情を作る。
マライカは、次の話しなんて聞きたくはなかった。けれどもダールは続ける。
「あの男の妹。美人で有名でな、借金の代わりに身請けしてやったよ。あの肉体もまた最高だった。美しいあの綺麗な肉体を持つ、あれの腹を大きくさせたくてたまらなかった。儂は取り憑かれたように三日三晩、眠ることなく抱き続けたよ。女がどんなに乞うても許さず、ひたすら儂の精を注ぎ続けた。結果、気を失い、そのまま逝った――お前はあの女の身代わりだった。希少種であるオメガを快楽に染まらせ飼い慣らし、お前が孕む様子をこの目で見て、あの時以上の興奮をまた愉しもうと思うたに……」
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