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第19話

 2ー7 問題なしです。  「さすが、セツさん。理解してくださいました?」  フローディアは、ぱぁっと顔を輝かせた。  俺は、神妙な顔をしてフローディアを見つめた。  「仕方ないな。世界のためだ。ここは、俺が立つしかあるまい」  「わかってくださったのですね、セツさん」  フローディアが涙ぐんでいる。  無理もあるまい。  この窮地にたたされた世界を救えるのは今、この俺しかいないのだ。  俺は、大人な笑みを浮かべるとフローディアに告げた。  「1人はみんなのため、みんなは1人のため、だからな」  「セツさん」  フローディアのが俺をキラキラと輝く瞳で見上げている。   「どこまでもお供させていただきます」  「あー、苦しゅうないぞ」  俺は、少しいい気になっていた。  うん。  だって、しょうがないじゃん。  俺は、これから英雄になって女神を倒して世界を救うんだぜ?  これが、いい気にならずにいられますかっての。  冒険につく冒険。  そして、恋とか、友情とか、恋とか。  エルフの美少女とか、猫耳の美女とかに囲まれて、ハーレムかぁ?  うん。  俺は、頷いた。  いいかもしれない。  てか、これを逃せば俺は、男じゃねぇ!  やる!  やってやるさ!  俺は、女神を倒してこの世界の英雄になる!  「ありがとうございます、セツさん!」  フローディアが声を震わせているのを見て、俺は、優しく微笑んだ。  「気にするな、フローディア。誰かがやらねばならないんだ」  「セツさん」  「ところで」  俺は、フローディアに尋ねた。  「俺は、これからどうすればいいわけ?ダンジョンで経験値上げ?それともドラゴン退治いっちゃう?」  「はい?」  フローディアが不思議そうな顔をして答えた。  「ドラゴン、ですか?いや、その、とりあえず、手近な魔王攻略から始めましょうか、セツさん」  魔王攻略ですか?  俺は、少し嫌な予感がしてきていた。  いや。  たぶん、魔王攻略するのは、俺の能力を上げるための近道なのに違いない。  俺は、何者とでも戦って見せる!  「いえ、戦いません」  フローディアが申し訳なさげに俺に告げた。  「セツさんは、魔王の頂点に立っていただきます」  はい?  俺は、小首を傾げた。  いきなり戦わずして頂点に立てと?  「セツさんには魔王たちの子を産んでいただきます」  なんですと?  俺は、フリーズしていた。  フローディアは、そんな俺にかまわずに話を続けた。  「手始めに、今、身籠られている子供に魔王としての力を与えます」  「えっ?だって、この子は勇者なんじゃ?」  俺がきくとフローディアは、笑顔で答えた。  「問題ありません。魔王であると同時に勇者です」  マジですか?  「そんなのありかよ!」  「ありよりのありです」  づローディアがふんす、と鼻を鳴らした。  「これで空いている魔王の座が埋まります。ひとまず安心ですよ、セツさん」  

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