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第47話
6ー1 歓迎会の夜
その夜は、アザゼルさんにお願いしてクーランドとグレイシア兄弟となぞの没落アル中剣士の歓迎会を開いてもらった。
まあ、歓迎会とかいっても魔王連合ギルドの食堂で一緒に夕食を食うってだけのことなんだけどな。
もちろん、グレイシアのためにスマホ女神の電源は入れました。
グレイシアは、女神に取り憑かれていたときのことを覚えていた。
「ま、さか、俺、にそん、な能力、があった、とは」
グレイシアが言うのを聞いてクーランドが嬉しげに力説した。
「グレイシアは、天才だもんな!」
「よ、せ」
グレイシアがクーランドに誉められて照れているのを見て俺は、ほっこりとしていた。
グレイシアの年齢は人間で言うと俺と同じぐらいらしい。
やっぱ子供だったんじゃん、クーランド!
「でも、なんで同じ家から2人も奴隷に売りに出されたんだ?」
俺がきくとグレイシアが答えた。
「俺と、弟、は、無能、だった、から、だ」
無能ですと?
どういうことか俺が尋ねるとクーランドが説明してくれた。
「俺たちドワーフは、10才の誕生日にドワーフの神の洗礼を受け、そのときに生まれ持った能力、スキルがわかるんだが、俺もグレイシアも何のスキルも持ってなかったんだよ」
マジですか?
「つまりドワーフの神に祝福されなかったってことだ」
クーランドが俺ににかっと笑った。
「まあ、グレイシアは、別の女神の祝福を受けてるみたいだけど」
「本当に!」
スマホ女神が空中を浮遊しながら興奮ぎみに語った。
「こんなダイレクトに繋がれる人、初めてです!ぜひ、私の教団の神官長になって欲しいです!」
俺たちがこんな風に和気藹々と話している横で魔王たちがなにやらぼそぼそと話しているのに気づいて俺は、そっと聞き耳をたてた。
「あんた、いつの間にセツに近づいていたんだ?」
田中くん、もとい、ダイナスがロイに絡んでいた。
「ちょっと、売れっ子だからっていい気になってんじゃね?」
「マジで、魔王ランキングなんて俺たちが帰ってきた以上は、秒で覆るんだからな!わかってんのか、こらっ!」
中島くん、いや、本名クライアムがロイを羽交い締めにしようとしているのをロイは、軽く振りほどいた。
「弱い犬ほど群れを作ってよく吠える」
ロイが低い声で囁いた。
「だいたい、自分のものと主張するならなぜ、もっとしっかりと守ってやらないんだ?」
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