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第54話

 6ー8 勝敗  結論から言おう。  クーランドは、かなり健闘したが勝負は、謎の剣士の勝ちだった。  というか、あのおっさん何者?  おっさんとクーランドは、まだ夜も明けきらない内に中庭にきていた。  俺は、そっとクーランドに話しかけた。  「すまない、クーランド。俺とあのおっさんのことにお前を巻き込んじゃって」  「気にするなって」  クーランドは、にやっと笑った。  「あのおっさんの好きにはさせねぇから、安心して見てろって」  「そろそろ始めるぞ」  おっさんが言って、クーランドはおっさんの方へと向き直った。  2人は、しばらく見合っていた。  先に動いたのは、クーランドだった。  おっさんは、クーランドの最初の一撃を軽くかわすと手にしていた練習用の剣をクーランドへと向けた。  「殺す気でこい。さもないと、お前は、死ぬ」  「ふん!言うじゃないか、ぐうたら剣士が!」  クーランドは、剣を上段に構えると剣士へ向かって突き進んだ。  剣士は、今度は、クーランドの剣を受け止めた。  「この程度で、いい気になってるなんて戦場で一番最初に死ぬタイプだな」  「何ぃっ!」  クーランドは、後ろに飛び退いた。  「次は、本気で行くからな!」  「ああ。最初からそういってるだろうが」  剣士が剣を下ろした。  「さあ、来い、ドワーフ!」  「てぇやあぁあぁっ!」  クーランドが渾身の一撃を放った。  俺は、剣士が死んだと思った。  だけど。  そこに立っていたのは、剣士だけだった。  「クーランド!」  クーランドは、剣士の足元にくずおれていた。  俺は、クーランドへと駆け寄った。  クーランドは。  膝まづいたまま、意識を失っていた。  なんだ、こりゃ?  俺は、クーランドを抱えて横にしてやりながら考えていた。  何が、あった?  俺は、クーランドに治癒の術をかけながらちらっと剣士をうかがった。  剣士は、じっと俺たちを見ていた。  「くそっ!」  クーランドが息を吐くと、地面に落ちていた剣へと手を伸ばした。  「もう一度!」  「クーランド?」  「退いてろ!セツ」  クーランドが俺を押しやろうとしたのを制して、俺は、クーランドに告げた。  「もうしばらくじっとしてろ、クーランド」  「でも!」  俺には、クーランドの気持ちがわかった。  クーランドは、本気だった。  油断もしてなかったし、奴のことを舐めてもいなかった。  それでも、クーランドは、奴に敵わなかった。  「おい、セツ様」  剣士に名を呼ばれて俺は、奴を振り返った。  剣士は、にやっと笑った。  「約束を忘れるなよ、セツ様」

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