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第56話
6ー10 知らないよ!
まさか、クーランドがこいつに負けるとは。
俺は、裸になるとベッドの方へと歩みよった。
ううっ。
俺がもじもじとしてるのを見て剣士がぽん、とベッドを叩いた。
「座れ」
俺ができるだけ体を離してベッドの端に腰を下ろしたら、剣士がふんっと鼻で笑った。
「ビッチのくせに、うぶなふりか?」
「ふりなんかしてねぇし!」
俺が声を荒げると、剣士が言い放った。
「嘘つくな。魔王どもの性奴のくせに」
「そんなんじゃ!」
「まずは、口でしてもらおうか、セツ様」
はい?
俺は、あまりのことに言葉を失っていた。
いやいやいや、そんなことできませんよ?
「その、どうやってすれば、いい?」
俺がきくと、剣士が呆れた様に俺を見た。
「お前、ほんとに魔王たちの嫁候補なんだよな?」
「知らねぇよ!」
俺は、切れて声をあげた。
「男となんて寝たことないし!」
というか、女の人とも寝たことないしな。
だが、剣士は、俺の腕を掴んで引き寄せると囁いた。
「ほんとに、生意気なガキだな」
「生意気って」
俺が体を離そうとすると、剣士が体を起こした。
「生意気なガキにはお仕置きをしとかねぇとな」
「あっ!」
剣士は、俺を膝の上に座らせると両足を開かせきゅっと俺のものを掴んだ。
「ふん、もしかしてまだ女も知らないのか?」
「そんなこと、関係ないだろ!」
俺がいうと剣士は、俺の胸の突起をぎゅっと摘まんで捻った。
「ひぁっ!」
「こんなこと、慣れっこだろうが?変な声出してんじゃねぇぞ」
剣士に言われて俺は、涙ぐみながら答えた。
「こんなこと、1度しかしたことねぇし!」
「1度?」
剣士は俺の乳首を指先で摘まんできゅっと引っ張った。
「誰とした?」
「あぅっ!」
俺は、剣士の腕の中で崩れそうになりながらも応じた。
「言わない・・言うもんか!」
「言え!」
剣士が俺をベッドへと押し倒し、胸に吸い付いてきた。
「言えば、許してやる」
「ん・・あぁっ!」
俺は、剣士に胸の突起を甘く噛まれて体をくねらせた。
「やめ、てっ!」
「止めるわけねぇだろ」
剣士は囁くと俺のものへと触れてきた。
剣士の節暮れだった手に包まれ乱暴に擦られて、俺は、簡単に達してしまった。
「あぁっ!」
「堪え性のないガキだな」
剣士は、自分の手につ俺の迸りを舐めた。
「うん?アザゼルたちに毎日可愛がられているにしては、濃いな」
「そんな、こと・・あの人としてなんて、ない!」
「嘘つけ。なら、その腹の子は、どうしたんだ?」
奴に問われて、俺は口ごもった。
「それ、は・・」
俺は、知らない内に溢れだした涙を堪えることができなかった。
俺は、泣きながら剣士の胸を叩いた。
「そんなこと、俺がききたいよ!うっ・・うぇっ、ひっ・・もう、やだっ!」
それからのことはよく覚えていない。
俺は、泣き続け、奴のことを拳で叩き続けた。
剣士は、俺に殴られるままになっていた。
そして、俺は、泣きながらいつしか眠りに落ちていった。
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