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第67話
7ー7 失いたくない!
「セツ?」
ロイが優しく囁いた。
「お前が嫌なら私は」
「ううん」
俺は、頭を振った。
「怖いのも、痛いのも、嫌、だ。俺、俺、でも、ロイがいなくなるのは、怖い」
俺は、ロイを見上げた。
「だから、もう、俺を怖がらせないでくれ」
「セツ」
ロイが俺の体にその体を重ねてくるのに応じて、俺は、ロイの首に両腕を回した。
「俺、初めてなんだ」
俺は、ロイの耳元で呟く。
「男に抱かれるのも、誰かがいなくなるのを怖いと思うのも、初めてなんだ」
親父とお袋は、天涯孤独の身の上だった。
俺には、ずっと家族しかいなかった。
なんとなく、家族以外の人は、こわい生き物だと思っていた。
なのに、あの3人とプラス1人が俺をほっといてくれなかった。
いつも、一緒にいてくれた。
俺は、それをうざいと思っていた。
けど、今は、理解できる。
彼らがいてくれたから、俺は、普通でいられたんだ。
なのに、あの連中は、俺から去っていった。
俺は、1人になって。
それでも、平気だと思っていた。
でも。
俺は、もう、1人は嫌だ。
もう、誰も失いたくない。
誰も。
「そうか」
ロイは、俺の涙をそっと拭った。
「離すわけがない。お前は、私の大切な番、だ。うけとるがいい。私の全てをお前にくれてやる」
「ロイ・・あっ!」
ロイに胸にキスを落とされて、俺は、体をはぜさせた。
ロイは、俺の胸の突起を摘まむときゅっと指先で転がした。
「はっ・・そんな、とこ・・やっ!」
「ここは、お前の体の奥の官能に通じている。感じるだろう?この奥で」
ロイが俺の腹を撫でた。
なんだか、腹の奥がきゅうっと捩れて疼いてくる。
俺は、呼吸を乱していた。
「ほら、感じているだろう?セツ」
「あぁっ!」
ロイの冷たい手指が俺の湿ったものを掴んで擦りあげた。
官能の波が俺の体を駆け抜けていく。
ロイは、震えている俺を優しく、そして、激しく高みへと導いていく。
「や、だっ!も、でる・・でちゃうっ!」
「いいぞ、いっても」
ロイの許しに、俺は、すぐに達してしまった。
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