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第70話

 8ー2 なんか、ヤバくね?  ガリガリという何か固いものを削っているような不快な音が遠くに聞こえてきて俺は、ゆっくりと覚醒した。  「起きたのか?セツ」  「はっひぃっ!」  目の前にロイの裸の胸と端正な顔があって、俺は、心底焦っていた。  うん。  俺もまっぱだし!  ヤバくね?  というか、何?  俺は、耳をふさいだ。  すごくうるさい?  「なんだ?この音?」  「大丈夫だ。セツ」  ロイが呑気げに答えた   「ここは、守られている」  そうなんだ。  俺は、まだ、ねむくって。  そっとロイにすり寄りながら目を閉じようとして、ふと、それが目に入ってしまった。  「ぎぃやぁあぁっ!」  「どうした?セツ」  「あれ、あれっ!」  俺は、震える指でロイの背後を指差した。  そこには、巨大な青い猫と深い緑色の虎と角のあるトカゲ?がいて、なにやら咆哮をあげながら俺たちのいる空間の上部を引っ掻いたり噛みついたりしている姿があった。  「ほっとけ。あんな連中のことは、無視するに限る」  ロイは、後ろを振り向くこともなく答えると、俺にキスしてきた。  いやいやいや。  俺は、ロイのキスをかわすと体を起こしてそっちの方を見た。  「あの、あれは、何ですか?」  「気にすることない」  ロイが俺の腰へと手を伸ばしてくるのを俺は、はたき落とした。  いや!  そこは、気にしようよ!  ってか、ここ、どこ?  俺は、辺りを見回した。  うん。  ここは、魔王連合ギルドにある俺の部屋だな。  間違いなかった。  で?  あの3匹の獣は、何ですか?  俺は、恐る恐る頭上を見上げた。  あれ?  よく見たら、どうも様子が変だった。   この獣たち、泣いてないか?  雄叫びもなんだか、悲しげだし。  俺は、ロイの方を見て尋ねた。  「ロイ?あの3匹、なんだか悲しげだけど、なんとかしてやれないかな?」  「さかりのついた獣がセツのフェロモンに集まってきているだけだ。お前が気にやむことなんかない」  ロイは、俺のことをそっと抱き寄せて肩へとキスを落とした。  ちゅっと音を立てて吸われて、俺は、くすぐったくて身を震わせた。  すると、3匹が悲しげな声をあげる。  「「「うぉおん!」」」  

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