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第83話

 9ー2 漏らしてしまいました。  地下室に連れてこられて、もう、ずいぶん長い時間が流れていた。  いったい今が昼なのか、夜なのかすら俺には、わからなかった。  いや。  そんなことよりも差し迫ったことがあった。  俺は、尿意をもよおしていて。  もじもじとしながら、俺は、早く、誰かが来てくれることを祈っていた。  だが、いっこうに誰もこの部屋を訪れるものはなかった。  「誰かか!誰かか、きてっ!」  俺は、必死に声を張り上げた。だが、いっこうに誰も来てくれる様子はなかった。  もう、俺は、限界がきていて。  目尻には涙が滲んできていた。  「お、願いします!誰か!来て!」  もう、我慢ができなくて。  俺は、目を閉じた。  じわっと下半身に温かいものが拡がっていく。  俺は、ぽたぽたっという水音を遠くにききながら泣いていた。  「うっ・・ふっ・・」  そのとき、かつん、かつんという足音が近づいてきて扉が開かれた。  俺は。  恥ずかしくって、顔をそらせた。  温かな手が俺にそっと触れてきた。  それは、ワチさんだった。  「ワ、チさん・・」  ワチさんは、俺の呼び掛けには答えることなく無言で俺の服をナイフで切り裂き脱がせていった。  そして、体を拭き清め、汚れた床やらを掃除してくれた。  「あ、の・・ありがと・・ワチさん」  ワチさんは、まったく俺の方を見ずに作業をすませると部屋から去っていった。  俺は、裸で放置されていた。  部屋の中は、少し寒くて鳥肌がたっていた。  情けなくって、悲しくって。  俺はぽろぽろと涙が流れ落ちるのを止められなかった。  「うぇっ、ひっ・・」  俺は、泣きながら呟いていた。  「ごめん、なさい・・勝手なこと、して」    いつの間にか泣きながら眠っていた俺は、誰かの足音で目を覚ました。  部屋に入ってきたのは、アザゼルさんだった。  なんだか疲れた様子のアザゼルさんは、俺にそっと触れてきた。  「すまないな、セツ君」  「んっ」  俺は、アザゼルさんに触れられてびくっと震えた。  アザゼルさんは、俺の拘束をとくとおれを抱き上げた。  「あっ!」  なんだか、体に力が入らない。  それに。  アザゼルさんに触れられたところがじんじんと痺れて、熱かった。  俺は、自分のものが軽く頭をもたげているのに気づいて慌てて両手で隠そうとした。 「あの、これ、は」 「気にしなくってもいい。君の食事に媚薬をもってもらった。当然の反応だよ」  はい?  媚薬、ですと?  「あの、なん、で?」  「セツ君、私は言った筈だ。これは、君へのお仕置きなんだよ」  お仕置きですと?  マジですか?    

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