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第86話
9ー5 強くなりたい!
アザゼルさんは、最初、ゆっくりと抽挿していたが、だんだんと早く、激しくなっていき、俺は、ただひたすらそれを堪えていた。
意識が飛びそうになるのを必死で堪えている俺にアザゼルさんが吠えた。
「うおぉおっ!」
「はっあぁっ!」
アザゼルさんの大きくて硬いものが俺の体の奥へと達して熱い迸りを吐いた。
それと同時に俺は、中で感じて達してしまっていた。
「ぁあっ・・」
力なく崩おれている俺の体を抱えあげるとアザゼルさんは、俺のぬかるんだそこへとじゅぷん、と怒張を突き立てた。
「ひぁっ!」
まだいっているところに一段と奥深くまで開かれて、俺は、びくんっと体を痙攣させた。
俺は、もう、何もわからなくなって。
涙やら、涎やらで汚れた顔を上げてただ喘ぎ声を漏らしていた。
朝。
俺は、差し込んでくる光に眉をしかめた。
「はっんっ・・」
目をゆっくりと開くと、そこは、俺の部屋のベッドの上で。
俺は、全身の痛みを感じて顔を歪めた。
あれから何度、いかされたことか。
俺は、ゆっくりと体を起こした。
「ひでぇの・・手加減なしかよ・・」
俺は、苦笑した。
身体中にアザゼルさんの噛みついた跡やらなんやらが残されていた。
「はっぁっ!」
俺は、後孔から熱い何かがどろりと溢れるのを感じて声を漏らした。
アザゼルさんの・・
俺は、笑っていた。
これが奴隷ってもんなんだ。
いつしか俺は、泣いていた。
「ふっ、ひっ・・」
「大丈夫ですか?セツさん」
不意に女神の声がきこえた。
顔をあげるとそこには、スマホを握りしめたグレイシアの姿があった。
「アザゼルさんのこと、嫌いにならないでくださいね、セツさん」
グレイシアは、俺の体を浄化の魔法で清めながら囁いた。
「あの方もあなたのことを愛しているんです」
「わかってるよ・・」
俺は、ぽつりと呟いた。
「これでも俺は、奴隷としては恵まれている方なんだろ?」
「セツさん」
「少し1人にして」
俺は、グレイシアに告げた。
グレイシアは、ふぅっとため息をついた。
「セツさん、忘れないで。いつも、私たちはあなたの側にいます」
「出てけよ!」
俺は叫んだ。
グレイシアは。
何もいわずに部屋を出ていった。
俺は、ぐっと拳を握りしめた。
強くなりたい。
何者にも蹂躙されないぐらいに。
俺は。
強くなる!
この世界で生き残るために。
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