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第95話

 10ー6 お前は、1人じゃない!  ラミーさんは、俺の胸の頂を舌で舐めながら、俺のものを擦り始めた。  俺は、呼吸を乱して涙目でラミーさんを見上げていた。  彼は、俺の胸を強く吸った。  甘い痛みに、俺は、身を捩らせた。  認めたくはなかったが、アザゼルさんにそう仕込まれた俺の体は、熱く疼いていた。  ああっ!  俺は、泣きそうだった。  こんな体にされちゃって。  俺は、もう、普通の男に戻れないのか?  くちゅくちゅっという水音を聞きながら俺は、熱い吐息をついた。  翌日。  ラミーさんは、俺たちの出立を宿屋の前で見送ってくれた。  俺は。  結局、哭かされて。  意識が途切れるまで体を貪られた。  ラミーさんは、別れ際に俺の手をとり指先に口づけた。  「何かあれば、お声をかけてください。このラミー・ララミアは、いつでもあなたの盾となり剣となりましょう」  俺は、竜車が動き出してからステイタスカードを取り出して見た。  俺のスキル『ビッチ』がレベル20になっていた。  「順調ですね、セツさん」  スマホ女神が囁いた。  俺は、ふんっと鼻を鳴らしてそっぽを向いた。  俺は、涙目になっていた。  俺、どうなっちゃうんだよ?  本当に。  「大丈夫か?セツ」  クーランドが俺に話しかけてきた。  「気分でも悪いのか?」  「いや」  俺は、慌てて涙を隠した。  「なんでもないし」  うん。  でも、ほんとは、なんでもあるんだけどね。  クーランドは、ほっとした様子で俺に微笑みかけた。  「なら、いいんだ」  ふと、俺は、前に座っているグレイシアの視線を感じて奴の方を見た。  グレイシアは、俺をじっと見つめていた。  「大丈夫、だ、クーランド。セツは、1人、じゃ、ない」  グレイシアは、力強い声で告げた。  「セツ、が、苦しむ、ときは、俺たちも、一緒、だ」  こくっとクーランドが頷いた。  「もちろん!」  マジですか?  俺は、なんだか胸が熱くなって。  そっと、隠れて目元を拭った俺を見て、アルバートおじさんとグレイシアは、繰り返した。  「セツ、お前は、決して1人じゃない」  そんなの、言葉にすぎない。  だけど。  俺の心は暖かくなっていた。

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