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第102話

 11ー1 夜営ですか?  トリムナードへと入った俺たちの前には、えんえんと広がる深い森が続いていた。  「予定では、この森で夜営をすることになるらしい」  アルバートおじさんが従僕のダイさんと話したことによると、森を無理して抜けるよりは、だいぶ遠回りになるけど荒れ地を通っていくほうがルート的には安全だが、一刻も速く到着したいという俺の希望を叶えるためにも森を通過するルートを選ぶらしい。  そんなことばっか、俺の意見をとおすなっつうの!  だが、俺が少しでも速くトリムの町へと到着したいと思っていることは事実だった。  しかし。  なんだか、体調が悪い。  下腹が思い感じがする。  ワチさんとラクシアさんが少し体を休める必要があるとダイさんたちに掛け合ってくれた。   そういうわけで、危険な森で夜営をすることになったのだった。  いや、いや、いや。  なんか、いろいろおかしいだろう?  というか、この従僕たち、なんか変!  俺は、不信感をもち始めていた。  こいつら、マジで大丈夫なの?  だが、ただでさえ危険な森を無理して夜通し走るよりかは、途中で夜営をした方がいいと主張されるとそうなのかな、とか思ってしまうしな。  まあ、これだけメンバーが揃っていれば何があっても大丈夫だろうし。  それに、俺は、ここにきて馬車酔いで気分が思わしくなかったのだ。  「たぶん、これは、つわりですね」  ワチさんたちが俺にわざわざ森の奥の泉からくんできてくれた冷たい水を差し出した。  俺は、水を一気に飲み干した。  生活魔法では、冷たい水は出すことができない。  水を出すだけでなく、同時に冷却する魔法が必要だからだ。  そして、一度に2つの魔法を同時に発動できる者は、そうはいない。  俺は、危険を侵しても水を汲みに行ってくれたワチさんたちに感謝していた。  アルバートおじさんがダイさんと話し合った結果、少し早いがここで夜営を営むことになった。  俺は、1人、馬車の脇に座ってワチさんたちが薪を集めて火を焚いているのをぼんやりと眺めていた。  ゴウラもクーランドと一緒に夕食のためのキノコやらを集めてくれていた。  俺は、いつの間にかうとうとと眠りに落ちていた。  

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