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第112話

 11ー11 飼育しちゃいます!  俺とストラファくんのもとにアルバートおじさんとロイが加わった。  2人は、ストラファくんを睨み付けて、しっしっと手を振った。  「子供は、もう寝る時間だぞ」  「私は、もう、子供ではありません」  ストラファくんが冷淡に切り返した。  「あなた方こそ、お年寄りは朝方早いんでしょう?」  「誰が、年寄りだって?」  「まあ、喧嘩は、やめや、やめ!」  クダギツネのくせにぐでんぐでんに酔っぱらったメサイアが千鳥足で俺の方へとやってきた。  「うちも、セツはんのこと好きやでぇ!」  そう言ってメサイアは、俺の股間へと突っ伏した。  「な、やめろっ!」  「なんで?」  メサイアが頬をぽっと染めて俺を見上げる。  「うちかて、セツはんを気持ちようしたることぐらい」  「女の子が、そんなことしちゃだめっ!」  俺がメサイアを押し退けながら叫ぶと、なぜか、おかしな空気が流れた。  「女の子?」  ぼそぼそっとアルバートおじさんとロイがなんか、囁きあっている。  うん?  なんだろうな。  俺が口を開こうとしたとき、メサイアが自分の上着の前を開いて、俺に向かって見せつけた。  「これでも、あかへん?」  「っひやぁっ!」  俺は、目を閉じた。  そして。  好奇心に負けてうっすらと目を開いて。  小さな胸のポッチが目に飛び込んできた。というか、これは・・ 「って、男やないかい!」  「そうやで。うちこそは、荒地の魔女、とか言われている偉大なる魔法使い、クダギツネの王、その実体は、超絶美少女メサイアやで!」  マジですか?  この人、男の娘なんですか?  ていうか、俺は、男の娘にも迫られちゃうんですか?  少し、自分が悲しくなってきた頃、アルバートおじさんとロイがストラファくんとメサイアをそれぞれ押し退けて俺のことをガードするように挟み込んで腰かけた。  「それより、セツ、これからの展望は?」  うん。  俺は、2人に頷いた。  この宴の主役、巨大な猪、というか、マッドボアの肉は、猪というよりも牛肉に似ていてなかなかおいしい。  俺は、クダギツネの力とこの領地の広い荒れ地をいかしてこのマッドボアを牧畜できないものかと考えていた。  このことをきいてアルバートおじさんとロイは、複雑そうな顔をした。  「マッドボアを飼育するのか?」  「クダギツネと組んで?」  「うん」  俺は、頷いた。  「実は、それから先の計画もあるんだけどそれには、必要なものがいろいろあって」  

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