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第117話

 12ー1 両翼の騎士団  「早急に大きな風呂を造らせよう」  風呂から上がった後、ロイが楽しげに呟くのにアルバートおじさんが頷く。  なんですと?  俺は、ぎょっとして2人の方を見た。  これからも、3人一緒に入るんですか?  俺が問いたげに見つめているのに気づくとロイは、爽やかイケメンスマイルを浮かべた。  「いや、俺たちだけじゃなく、もっと、こう、お前を愛するすべての人々と繋がりたい、というか」  「俺を愛するすべての人々と繋がってどうする気だよ」  「俺も、お前を守るための盾を造るぞ!」  ロイに対抗してかアルバートおじさんが力強く宣言した。  「俺には、お前のために風呂を造るような財力はない。だが、この地にお前を守るための盾となる最強の騎士団を作る!」  うん。  確かに、ここにも兵士の真似事をしている人たちもいるらしいし、ここは、王国的には、隣国と接している国境の領地だし間違えてはいないのかも。  でも。  俺は、いろいろ突っ込みたいことがたくさんあったけど堪えていた。  最強の騎士団って!  すると、今度は、ロイが告げた。  「では、私は、この地に最強の矛となるものを造ろう!」  ええっ!?  俺は、驚いていた。  ロイって、そういうタイプの人だったの?  俺は、盛り上がっている2人の横で必死に頭の中のそろばんを弾いていた。  そして。  「トリムナードの両翼の騎士団としてグッズ展開しよう!」  「「はい?」」  俺は、信じられないものを見るような2人の視線に堪えながら説明した。  「いや、2人の作る騎士団の運営費用の足しにしてもらおうかと思ってさ」  「なるほど」  ロイが感心したように頷いた。  「それは、いいかもしれんな」  「うん。悪くはない考えかもしれん」  アルバートおじさんもこの案が気に入ったようだった。  「いや、実際、騎士団を運営するるにはかなりの費用がかかるからな」  2人は、俺の頭をがしがしっと撫で回して微笑んだ。  「いいところに気がついてくれて、ありがとうな、セツ」  「さすがは、我々のセツ、だ」                                                  

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