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第122話

 12ー6 マッドボア家畜化計画2  俺の話を聞き終わった後もオーリは、ずっと小声でぶつぶつ呟きながら、考え込んでいた。  「マッドボアの家畜化、か」  オーリは、俺に質問した。  「それだと、まずは、生きたマッドボアを手に入れなくてはなりませんね」  「それなら」  俺は、窓のところへと歩み寄ると外を眺めた。  窓の外では、ちょうどクダギツネたちが竜車に捕らえてきたらしい巨大なマッドボアを積んで戻ってきているのが見えた。  「なんとか、最初の数頭は、無事捕獲できたようだよ」  「マジですか!?」  オーリは、立ち上がると俺の横に駆け寄ってきて窓の外を見た。  「ほんとにマッドボアを生きたまま捕らえることができたなんて・・」  俺は、オーリを見上げてきいた。  「マッドボアを飼うために必要なものは?」  「それは」  オーリは、俺に興奮ぎみにマッドボアを飼うために必要なものを提示していった。  「彼らを休ませるための小屋に、エサとか。それに彼らの世話をする人員、できればテイマーが必要になりますね」  「繁殖は可能でしょうか?」  俺がきくとオーリは答えた。  「理論的には可能だと思います。しかし、前例が」  「前例がなければ、作ればいいんだし」  俺は、オーリに微笑んだ。  オーリは、はっと息を飲んだ。  そして、頬を上気させて窓の外の光景を見ていた。  「それは、そうですが」  「優秀な魔物の研究者もいることだしな。楽しみだよ」  俺は、呆気にとられているオーリを見つめた。  オーリは、少し沈黙をしてから、力強く頷いた。  「任せてください!」  俺は、報告にきたクダギツネの美少女に指示をだして、そのまま、マッドボアを荒れ地へと運ぶことにした。  このトリムナードは、とても広いのだ。  たぶん、一両日は、運搬するだけでも時間がかかりそうだった。  オーリは、マッドボアの運搬についていく気満々だったけど、とりあえず、俺たちと一緒に行くことにしてもらう。  俺は、必要なものを簡単にまとめるとクダギツネたちより、早くつくように転移呪文で移動することにした。  転移呪文は、スマホ女神がアプリにしてくれていたので、簡単に俺にもつかえるようになっている。  俺だけだと万が一にも危険があるかもしれないということでクーランドとグレイシア兄弟とラクシアさん親子、 それにオーリが同行することになった。

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