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第129話

 12ー13 パパたちって!  翌朝の俺は、昨夜の思い出で青ざめていた。  確か、俺、2人に何度もしてくれってねだって。  2人にとろとろになるまで魔力を注がれて。  俺は、もう、恥ずかしくってそれ以上の記憶を思い出すことができなかった。  だけど。  この状況が、嫌でも俺に現実を突きつけてくる。  俺は、部屋のベッドの上で2人に両側から抱かれて横たわっていた。  そして、こうしている間も、2人の手足が俺を捕らえてはなさない。  こんな。  俺は、昨日の自分を思い出して全身がかぁっと燃えるように熱くなった。  とにかく。  俺は、もぞもぞと体を動かした。  はやく、ここから抜け出さなくては!  だが、2人の手からはとても逃れられそうになかった。  俺は諦めてそのまま2人に抱かれて目を閉じた。  再び、目覚めると、俺は、ベッドに1人で横たわっていた。  なんだか、がらんと広いベッドに残されて。  俺は、寂しさを感じていた。  「んっ・・」  俺は、体を起こそうとした。  「気がつかれましたか?セツ様」  ワチさんがすぐに駆け寄ってきて俺の体を支えながら、背中にクッションをたくさん挟んでくれた。  俺は、なんとかベッド上に体を起こしてワチさんの差し出してきた果実水を一口飲んだ。  うん。  すごく、おいしい。  俺は、果実水をごくごくと飲み干した。  でも、なんだか体がすごく重くって。  なのに、なぜか、力が漲っているのを感じた。  今なら、ドラゴンだって倒せそうな気がする。  ふと、下腹部に目をやり、俺は、驚きの声をあげた。  「なんじゃ、こりゃ!?」  俺の下腹部は、ぽっこりと膨れていた。  戸惑う俺に、ワチさんが微笑む。  「仕方がないですよ、セツ様。妊娠してるんですから」  はい?  俺は、両手で恐る恐る腹の膨らみに触れた。  ぴくん。  お腹の中の命が体を震わせているのがわかる。  「な、なんで急に?」  俺は、ワチさんに訊ねた。  「たった一晩でこんなに」  「当然です」  ワチさんは、落ち着き払って答えた。  「セツ様は、今までが普通じゃなかったんです。魔力が欠乏してて、お腹の赤ちゃんまで、十分に行き渡ってなかったんです」  「ちょうど、よかったんですよ、セツさん」  スマホ女神が囁いた。  「このさい、たっぷりと魔力を吸い取っておいてくださいね、パパたちから」  はいぃっ!?  俺は、頬が熱くなって急激に呼吸が苦しくなってきた。  パパたち、だって?  

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