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第130話
12ー14 お婿にいけないっ!
「パパたちって!」
俺は、ベッドから出ようとしたが体がうまく動かなくって体勢を崩して顔からシーツへと突っ込んだ。
「あぶないですよ、セツ様」
ワチさんが俺をびしっと叱りつけた。
「今日は、1日、ゆっくりしててください。なにより、そのお腹の赤ちゃんのためにも、安静にしてなきゃダメですよ!」
マジですか?
俺は、膨らんだお腹を押さえてため息をついた。
「でも・・せめて、風呂には入りたいし」
俺がぽつりと呟くと、スマホ女神がにやりと笑った。
「いま、ですか?セツさん」
「何がおかしい!」
「いえ、ただ」
スマホ女神がコホンと咳払いをした。
「セツさんの体のどこにも汚れなんて残されてはいませんよ?」
はい?
俺は、じっくりと自分の体を見つめた。
俺は、裸で。
体のあちこちに昨日の激しい情交の生々しい跡が残されていた。
だが。
俺の体も、シーツも汚れてはいなかった。
どういうこと、だ?
俺がパチクリしてると、スマホ女神がにやりと笑った。
「2人に感謝しなくちゃ、ですよ、セツさん」
「何を?」
「何をって」
スマホ女神が興奮した様子で話し始めた。
「あのお二人は、本物の紳士ですよ。気をやりすぎてぐったりなっちゃて、動けないセツさんの体を隅から隅まで浄化魔法で清めてくれたんですからね。すっかり中まで、ね」
「なっ!」
俺は、変態デバガメスマホ女神のいわんとするところをさっして顔がぼっと熱く火照った。
終わった。
俺は、涙をさめざめと流しながらベッドにくずれ込んだ。
もう、終わりだ。
俺が気を失っている間に、あの2人にいろんなところを見られてしまった。
「見られたというか、もう、そんなもんじゃないですよね?セツさん」
俺は、スマホ女神からの言葉責めをもう、聞かないために耳をふさいだ。
それ以上の言葉責めは、もう、無理!
受け付けられません!
俺は、シーツを握りしめて悶えていた。
恥ずか死ぬっ!
魔力切れでヤバかったとはいえ、あんなことや、こんなことをしてしまったし。
俺、もう、お婿にいけないっ!
誰か、嘘だといって!!
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