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第137話

 13ー7 ピンチだったんですか?  俺が目覚めたとき、側には、ロイの姿があった。  「セツ、気がついたのか」  ロイは、目の下にクマがあり、目も赤く、顔色は、青ざめていてなんだか、疲れきっている様子だった。  俺は、自分を覗き込んでいるロイの頬へとそっと両手を伸ばした。  「ロイ?」  「セツ・・」  ロイが俺の手をとり口付けて。  ロイは、泣いていた。  「よかった・・もう、お前の瞳が開くことがないかもしれないと思って、ほんとに、不安だった」  「大げさだな」  俺は、笑って、でも、ロイのしたいようにさせていた。  ロイは、俺を膝の上に抱き上げると、俺の顔にキスの雨を降らせた。  「ああ、ほんとに」  ロイは、俺を抱き締めるとそっと囁いた。  「生きててくれて、ありがとう」  はい?  俺は、くすぐったくってくすくす笑いながらロイを抱き締めた。  「ほんと、大げさだし」  「そんなこと、ない」  グレイシアが俺に暖かいスープを差し出したのをロイが受け取り、匙ですくって俺の口許へと差し出した。  「ほら、飲んで、セツ」  「いや」  俺は、抵抗した。  「自分で飲めるし」  「セツ」  ロイがぐいぐい押してくるので、俺は、仕方なく口を開けた。  ロイは、まるで俺が何日も飲まず食わずだったっ病人であるかのようにゆっくりと俺にその薄いスープを飲ませていった。  最後に、俺の唇を舌でペロッと舐める。  「セツ様!」  部屋の扉が勢いよく開いて、ミオが駆け込んできた。  ミオは、ロイに抱かれた俺の体にそっと触れて難しい顔をした。  「まだ、熱がありますね。当分は、安静にしててくださいね」  「ええっ?」  俺は、ミオに抗議した。  「もう、大丈夫だよ、ミオまで大げさな」  「大袈裟なことがありますか!」  ミオが俺に、あの後の話をきかせてくれた。  「アルバート殿がセツ様の腹部を切り開いた後、すぐに私は、腹の中にいた赤ん坊を取り出しました。そして、セツ様に治癒の術をかけました。しかし、セツ様は、すぐには蘇生できませんでした」  はい?  俺は、少し驚いてミオの話をきいていた。  蘇生って。  「俺、死んじゃったの?」  俺がきくとロイがぎゅっと俺を抱き締めた。  「死んではいない。だけど、心臓が止まった」  マジですか?  

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