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第140話
13ー10 監禁ですか?
「それなんだが」
ロイが俺にそっと触れた。
「どうも、ワチが赤ん坊を連れ出したらしいんだよ」
はい?
ワチさんが?
俺は、頬をロイに愛撫されながら、考えていた。
なんで、ワチさんが、赤ん坊を連れ出したんだ?
どこに?
「まさか、アザゼルさんが?」
俺は訊ねた。
ロイは、頭を振った。
「奴は、関係ない」
「じゃあ、なんで・・誰が、ワチさんに赤ん坊を連れ出させたんだ?」
「今は、なんとも言えない。ただ、赤ん坊の魔力を追跡したところ、2人が王都の近辺にある都市クライアドに向かっていることがわかった」
ロイが話した。
「ただ、クライアドの領主は、宰相エイダス・フロウだということが気にかかる」
エイダス?
俺は、ぞくっと背筋が冷たくなった。
あいつが、ワチさんに赤ん坊を拐わせた?
「だめ、だ!」
俺は、ロイの胸元にすがった。
「あいつに赤ん坊を渡しちゃ、いけない!」
「わかっている」
ロイが俺の手を握ってそっと口付けた。
「私の手の者が調べたところ、まだ、エイダスは、ワチと会っていない。それどころか、奴も、ワチのことを探しているようだ」
マジで?
ロイが、俺を落ち着かせるように優しく微笑んだ。
「今、アルバートがワチを探している。大丈夫だ。絶対に、アルバートがエイダスよりも速くワチたちを見つけてくれる」
「俺も、行く!」
俺は、ロイに訴えた。
「俺も、ワチさんを探しに行く!」
「それは、ダメだ、セツ」
ロイがきっぱりと言った。
「お前は、まだ、病み上がりなんだぞ。この部屋から出ることは、私が許さん」
「でもっ!」
俺の言葉をロイがキスで封じた。
「んぅっ!」
俺は、ロイの唇を噛んだ。
口の中に鉄の味が広がっていく。
ロイが俺を貪るように激しいキスをした後、そっと俺の唇を舐めた。
「誤魔化さないで!」
俺は、ロイに向かって言葉を荒げる。
「俺は、絶対に、ワチさんのところに行くから!」
「そうか」
ロイの瞳が赤く揺らいだ。
「こんなことは、したくはなかったが」
ロイは、そう言って俺をベッドに押さえつけると枷で拘束した。
両手両足に枷をつけられて、ベッドから身動きとれなくなった俺に、ロイは、そっとキスした。
「大丈夫だ。少しの辛抱だ。すぐに2人は連れ戻す。お前は、ここで大人しく待ってろ」
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