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第141話
13ー11 エイダスからの使者
俺は、ロイが部屋を出ていくのを待って、スマホ女神を呼んだ。
「おい!出てこい、フローディア!」
「セツさん」
フローディアが姿を現した。
「今回、私は、手を貸すことは、できませんよ」
「なんでだよ?」
俺は、スマホ女神に食って掛かった。
「いつも、いらない手出しをしまくってる癖に、こんなときに助けてくれないのかよ!」
「だって」
スマホ女神が真剣な表情を浮かべた。
「セツさんは、それどころじゃないから」
はい?
睨み付けている俺にスマホ女神は、告げた。
「ここにエイダスからの使者が来ます。彼の目的は、セツさん、あなたです」
「使者?」
俺は、繰り返した。
「使者だって?」
なんで、奴が俺に使者を出すんだ?
俺の心を読んでか、スマホ女神が答えた。
「エイダスは、あなたを自分のもとに迎えるつもりなんです」
「迎える?」
俺は、話が見えてこなくっていらいらしていた。
「何、言って」
「つまり、エイダスの使者があなたを連れにきます」
奴の使者が俺を?
なんで?
「それは、あなたを花嫁として迎えるためです、セツさん」
不意に声がして俺がそちらを向くと、そこには、懐かしい顔があった。
「お前は」
「お久しぶりです、セツさん」
そこには、俺の知り合いの姿があった。
「なんで、お前がここにいるんだ?恵」
「それは、聡い先輩ならもう、おわかりでしょう?」
その茶髪の飄々としたイケメンは、俺に近づいてくると、ベッドに縛り付けられている俺を解放した。
「俺も、他の先輩たちと同じで、あなたの監視のために異世界へと送り込まれていたんです」
はい?
俺が中高と可愛がっていた後輩は、俺を抱き上げるとそのまま転移の術を発動した。
「ここは?」
俺が、恵の腕から逃れようとすると恵は、俺をぎゅっと抱き寄せた。
「クライアドの街にあるエイダスの館ですよ、セツさん」
マジかよ?
俺は、怒っていた。
「下ろせっ!」
恵は、ため息をついたけれど、俺を離そうとはしなかった。
「安心して、セツさん。俺が、あなたを必ず守ります」
「お前は、いったい、何者なんだ?」
俺は、見知らぬ後輩に訊ねた。
「大たちといい、みんな、俺のダチは、異世界からきた奴ばっかだったのかよ?」
俺に言われて、少しだけ、恵は動揺した。
「それは・・でも、信じてください、セツさん。俺は、他の連中とは違う。あなたのことを陥れようとは、していませんから」
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