14ー９　発見！ 　「な、なんだよ？」 　俺は、すっかり挙動不審な様子でスマホ女神から目をそらした。 　そそくさと掛布で体を隠す俺にスマホ女神が明るくいい放った。 　「夜に備えての準備、お疲れ様です。がんばってくださいね、セツさん。たぶん、今夜のセツさんの閨での結果に世界の行く末がかかってますからね」 　「ほわっ！」 　俺は、かぁっと頬が熱くなってスマホ女神を見つめて口をパクパクしていた。 　そんなにはっきりといわなくっても！ 　さらに、スマホ女神は、笑顔で言った。 　「もし、失敗するようなことがあれば、今のセツさんの姿をロイさんとアザゼルさんをはじめとした魔王連合ギルドの関係者の皆さんに配りますからそのおつもりで」 　はい？ 　俺は、絶句していた。 　あんな姿を？ 　そんなことされたら、俺は、恥ずか死んでしまう！ 　「ところで、そんなセツさんに吉報です」 　スマホ女神のことを、俺は、ぎょっとして見つめた。 　「セツさんの子供とワチさんが発見されました」 　 「マジか！」 　俺は、スマホ女神のほうへと身を乗り出した。 　「で？２人とも無事なんだろうな？」 　もし、２人とも無事じゃなければ、俺は、もう、こんなことしてられないぞ！ 　撤収だ、撤収！ 　「大丈夫です。お二人ともご無事です」 　スマホ女神がいうには、２人は王都の片隅にある独り暮らしの老嬢の家で発見されたらしい。 　その老嬢は、かつては、名のある商人の愛人だったのだという。 　その老嬢自身も、ちょっとした商会を営んでいるらしい。 　 その老嬢の商会で住み込みのメイドを募集していたところ、ある日、赤ん坊連れのワチさんが応募してきたのだという。 　一目見れば、訳アリだと理解できるワチさんに気づいた老嬢は、二人を自宅に連れ帰り、話をきいた。 　ワチさんは、かつて愛した男に捨てられ、産まれたばかりの赤ん坊を抱えて働く場所も、住むところすらなくて困っていたことを伝えると、老嬢にすがり付いた。 　「なんでもします！どうか、ここにおいてください！」 　老嬢は、悩んだのだという。 　ぼろぼろのお仕着せ姿にまったく似ていない赤ん坊。 　これは、ただごとじゃない。 　だが、このまま捨て置くこともできずにとにかく、手元に匿うことにした。