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第157話

 15ー3 祈り  「お前も、私を見捨てるのか?あのときのアルバートや、カーミラ、ルイズのように」  エイダスは、俺の腕の中で精を吸いとられながら慟哭した。  「お前の、母のように、クレアのように、俺を捨て去るのか!」  ええ?  俺は、エイダスの冷たい青い瞳を覗き込んだ。  エイダスの濡れた瞳は、空虚で。  俺は、ぞっとしていた。  エイダスが、地の底から響くような声で叫んだ。  「誰も、私を、私を救いはしない!」  誰も!  エイダスの気が途切れていく。  俺は。  スキル『ビッチ』の裏技である『吸精の器』を解除した。  ふいに、俺からの圧から解放されたエイダスが、キョトンとした様子で俺を見つめた。  「セツ?」  「こんなの、違う」  俺は、エイダスを抱き締めた。  忘れ去られて、置き去りにされている幼子のような目をした男を。  「こんなこと!」  「セツ・・」  涙を流しながらエイダスは、俺の体を穿ち続けた。  じゅぶじゅぶ、と奥まで貫かれて、俺は、激しさに何度も気をやった。  「~!あっ、も、だめぇっ!」  「セツ、セツ!」  エイダスが俺の奥へと熱いものを放った。  その瞬間に、俺のものを戒めていたリングが外れ、俺は、勢いよく精を放った。  「あぁっ!」  「セツ!」  俺は、エイダスに抱き締められたまま意識を手放していた。  「ここは?」  俺は、気がつくとなんだか懐かしい匂いのする場所にいた。  ええっ?  俺は、周囲を見回した。  水音がして。  草の匂いがする。  そこは、俺の実家の近くの河原だった。  「なんで?」  「目覚めたか?セツよ」  大きな岩の上に1人の少女が腰掛けて俺を見下ろしていた。  「ここは、お前の魂の記憶の場所だ、中田 セツよ」  その美しい人は、俺に微笑みかけた。  「闇に堕ちたエイダスの魂を救うとは、なかなかやる。お前を選んだフローディアは、腐っても女神の端くれだったといいうことか」  「あなたは?」  俺は、その人に訊ねた。  「何者なんです?」  「私は、アルトディア。この世界を滅ぼそうとしている者、だ」  はい?  俺は、もう一度、その少女を見た。  儚げな横顔。  どこか、疲れた子供のようなその少女は、俺には、悪神には見えなかった。  「あの、お噂は、かねがね」  俺は、緊張していた。  「この度は、なんで俺のところへ?」  「お前が祈ったからではないか、中田 セツ」    

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