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第7話
「♪ふふふんふーん」
鼻歌混じりで湊音は部屋を片付け、食器やグラスを台所に持っていく。
今日の晩御飯は2人の誕生日を祝ったディナーであった。一月末は湊音、一月初めが李仁の誕生日とあり一緒に誕生日を祝うことは毎年の恒例である。
出会ってもう11年かとしみじみと思う湊音。互いに43歳になりそんな実感ないと言いつつもディナーも最初の頃よりもヘルシーになってはいる。
シゲさんが亡くなった後の誕生日ディナーともあり、湊音も李仁も少し元気なかったが少しずつ気持ちも戻ってきているようである。
料理もそれぞれのためにと考えたメニューをつくり、ケーキはネットで2人で決めたそれぞれ1ピースずつのケーキ。
「李仁、洗剤もう無くなりそう」
食洗機の洗剤がないことを伝えると
「あ、多分明日には届くわよ」
「お、ナイス!」
「いえいえー」
机を拭いている李仁。
「そいや大輝が送ってくれたシャンプー早速つかおー」
「あらあら、一緒にお風呂でラブラブしよってこと? ミナくんたら、積極的ぃー」
と湊音をバックハグして羽交締めする。湊音もこしょぐったそうで笑う、
「ダメなの? ラブラブしちゃ」
「そんなことないけどぉ、こういう時は夜もラブラブしたいっていうパターン」
「そうじゃなくてもラブラブしたいですー」
「じゃあ、友達に送ってもらったおエログッズひとつずつ試しちゃう?」
湊音は大量に送られてきた李仁宛ての贈り物を横目に……開いたら李仁の昔のゲイ仲間たちから贈り物が見事に全部エログッズだった、それは毎年恒例だったと思い出す。
「どれ使うの?」
「新作のとかー、一人エッチ用とか」
「誕生日は一人のいやだよ」
「私の前でやって。それか私が見せてあげるから見てちょうだい」
「日頃から見せられてるんですけど」
「そうだっけ?」
「とぼけんな、見せつけて一人興奮して三連射とか昔よく見せてきたよね」
「あらやだぁ、若気の至りっ!!! 今でもできるんだからぁ……てかみたい?」
「いいです、いいです」
「YESのいい? NOのいい?」
李仁がさらに歯がいじめにする。湊音の耳を舐める。
「ああっ、だめっ……」
「何がダメなの……体も熱って」
「ワイン結構飲んじゃったから」
と机の上に置いてある二人が生まれた年のワイン。
シゲさんが今年も用意してくれたようだ。彼の兄弟が届いてた荷物から持ってきてくれたのだ。
「ほんと美味しかったわね、いい気分」
湊音は気づいた。いつもよりも頬が赤く染まってる李仁。彼の方が断然に酒は強い方なのだが、そんな彼がここまでぐたっとなってるのは相当な時である。
そしてワインの残りがかなり少なくなっているのに気づく。
「もしかして僕が食器洗ってる時に飲んだ?」
「へへへ、瓶ごと飲んじゃったー」
「こら、ダメだよ……李仁!」
「誕生日だから酔わせてよー」
しかし湊音も酒に弱いからほろ酔い状態である。
「ミナくぅん」
「はいはい、お風呂行きますよー」
「はぁい」
ベロベロに酔った李仁を風呂場まで連れていき脱衣所でべたぁんと座り込んでしまった彼の服を脱がし、自分も服を脱いだが湊音のアレは大きくなっていることに気づいた李仁はすかさずしゃぶりつく。
「こら、こらっ……」
と言いつつも温かくなっている李仁の口内、舌の動きに反応してしまう。
「李仁ぉ……」
ほぼ諦めて李仁の好きなようにさせた。自分も気持ち良いから。
程よいところで切り上げて泥酔した状態の李仁を、浴室に入れると危ないから、シャワーを浴びさせ、石鹸を泡立てて全身洗い合う。
湊音はできるだけベッドの上でいちゃつきたい、そう思いギリギリまで我慢はしている。でも互いに気持ち良いところを洗い合う。
李仁は首筋を優しく撫で洗うとすごく喜ぶ。吐息混じりで。
湊音は胸板の辺りを乳首を撫でながら大胆に触るとああああっと声を出す。
キスもしながら互い見合いながら……。
なんとか浴室から出て体を拭き合おうと思っても李仁が、ベタベタ絡んでくる。大きなバスタオルに包まれたまま寝室のベッドに倒れ込む。
「あ……グッズ」
と湊音はとりに行こうとするが足がおぼつかない。
「そんなのいいっ、早くっ」
李仁は湊音の腕を掴んでキスをした。
「グッズはまた今度のお楽しみに……」
「だねっ……」
李仁の大好きな騎乗位で湊音は上に乗っかり愉しむ。
昨年には挿入行為はやめようと二人で言っていたものの、やめられないようだ。
激しくでなく、ゆったりゆったりと。でも湊音はもう我慢できなくなるが自分より酔っ払ってる李仁が何故かそれを止めようとする。
「李仁っ、ほんとに酔ってるの?」
ん? と李仁は首を傾げる。……そしてニヤリと笑う。かなり酔っ払ったというのは演技だったのだ。
「くそ、やられたっ、ああっ!!!」
と、湊音は我慢出来ずに李仁の腹の上に白濁としたモノを出してしまった。
「ああん。我慢できなかったのぉ? わたしまだまだぁ」
と言いながら李仁はまだ下から突き上げる。
「鬼畜李仁おおおおお」
「ふふふ」
それから何回上でイカされたことか。
でも李仁も普段より酔っていたのは事実である。シゲさんからもらったワイン。毎年生まれ年のものをもらう。恋人同士の時もシゲさんと飲んでいた。
思い出に浸りたいからたくさん飲んでしまう、李仁はそう言い訳するのであった。
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