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お好み焼き
人に当たりそうになりながらもなんとか花火が見やすい川沿いの土手までやって来た。
「この辺にしようぜ恭弥!」
「そうだな。」
周りは家族連れとかじゃなくて彼氏と彼女とかそんな感じの人達が居る。
愁哉は、小さい子が騒がしいから落ち着いて花火を見たいと言い出してこの辺りなったんだけれど・・・。
周りは抱き合ったりキスをしたりと男2人がこんな場所に居て良いのかという光景。
誰も俺達2人を気にする様子はなかったが俺が気不味いんです。
ガサゴソ!
「何してんだよ愁哉。」
「お好み焼き食うだろ?」
袋からお好み焼きと割り箸を俺の目の前に差し出して来て微笑む愁哉。
くそっ!
可愛くて仕方がない。
親友なんてやめても良いかな?
俺の心を掻き乱す無邪気な愁哉の笑顔は俺の弱点です。
「恭弥?」
「悪りぃ!貰うわ。」
俺は愁哉からお好み焼きを受け取ると口の中にいっぱい押し込んで頬張った。
「美味しいよ!恭弥。」
「そうだな、美味しい。」
幸せそうに食べている愁哉を見ながら俺もお好み焼きを食べたが味なんて分からなかった。
頭の中は愁哉でいっぱいだったからだ。
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