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可愛い
「恭弥さん・・・浴衣姿凄くかっこいいです!」
「お前はうるさい。さっきから何回言ってんだ?」
「だって!かっこいいですよ。」
「早く行くぞ!お前が花火を見に来たいって言ったから来たんだ。俺を見るなら帰るぞ祥雅。」
俺が夏になると機嫌が悪くなり寝れなくなったりそれから夏祭りや花火大会を避けていた話を祥雅にした。
祥雅はポロポロと涙を流して顔をグズグズにさせながら俺に何度も言ったんだ。
『僕は藤澤先輩の側にいます。ずっと、ずっと離れません!』
お前が離れようとしても俺が手離さないさ祥雅。
どうして祥雅を好きかなんて俺にも分からないが祥雅を笑顔にしてやりたいと思うんだ。
上手く説明出来ないけれど俺に我が儘を言って振り回したり甘えて来たり怒ったりして良いのは祥雅だけだ。
それにしても、さっきからイラつく!くそっ!
他の奴が祥雅を見てるのが腹立たしい。
祥雅こそどれだけ浴衣姿が可愛いかなんて気づいていない。
花火なんか見ないで誰の目にも触れない場所に連れ去りたい。
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