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チョコバナナ

「恭弥さん、アレが食べたいです。」 祥雅は少し顔を赤くして照れる様に微笑みながら指差したのはチョコバナナ。 確かにいい歳をした男が食べるには恥ずかしいかもしれない。 けれど祥雅が食べたいというなら買ってやりたい。 でも本当に食べたいのだろうか? 祥雅はチラッと隣のリンゴ飴の屋台を見た気がしたのだが俺の思い過ごしだろうか? 「恭弥さんも一緒に食べて下さい。」 俺を上目遣いで見ながらお願いをしてくる祥雅が可愛らしくて俺は人目も気にせずに祥雅の手を握り締めると屋台の前まで来た。 「2本下さい。」 「はいよ。」 屋台の店主からチョコバナナを2本受け取ると祥雅に手渡した。 「ありがとうございます。恭弥さん。」 「チョコ、垂らすなよ。」 「はい。」 祥雅はパッと明るく笑うと嬉しそうにチョコバナナを食べ始めたのだ。 いや、ちょっと待て祥雅。 その食べ方は、わざとなのかそれとも無意識なのか? イヤイヤイヤ、その食べ方はヤバイだろ祥雅。 周りを見ると男達が顔を赤らめてゴクリと喉を鳴らしている様に見えてしまう。 祥雅は身長はあるが何処か中性的な顔立ちをして普段は綺麗だとか思うけれど笑うと可愛らしくて抱き締めたくなる。 違う! 祥雅の可愛さとか語ってる場合じゃない。 「祥雅行くぞ!」 「えっ?どこに行くんですか?恭弥さん!」 俺は祥雅の手を繋ぐと急いで人気のない神社の裏手に回った。 ココなら誰も来ないはずだ。

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