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溺れてる

「急にどうしたんですか?見て下さいよ。チョコが手に垂れてベタベタだ。」 「すまない。イヤ、ちょっと待て祥雅。その食べ方とかはさっきからワザとなのか?」 「食べ方?」 チョコバナナは半分以上無くなっていたが手に付いたチョコを舌を出して手首から手の平を舐め回す様にしている仕草が俺の理性をぶっ飛ばそうとしている。 「初めて食べるから変ですか?」 初めて・・・。 一つ一つの仕草や言葉に俺の気持ちは掻き乱されて平常心でいられなくなっている。 チョコバナナを手から離して俺は祥雅の手首を掴みそのまま祥雅の唇に自分の唇を重ねていた。 甘くて蕩けそうな祥雅の唇を貪る様に味わった。 俺は祥雅に溺れている。 祥雅は? 俺に溺れているだろうか? ボトッと食べかけのチョコバナナが地面に落ちる音が聞こえて来た。 角度を変える度に祥雅の唇から甘い甘い声が聞こえて来ていた。 ド〜〜ンッ!ドッド〜〜ンッ!! バチバチッ! 花火の爆音で冷静さを取り戻し祥雅の唇からゆっくりと唇を離すと涙目の祥雅の顔がそこにあった。

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