雷音のアンダーウェアを脱がすと、重量のある雄が顔を出した。万里の身体に触れているだけで少し育った剛直を、万里が赤い舌を出して舐めた。 「うわ、ちょっと…」 「ええからええから」 万里はそう言うと、長い雄を手で持って根元から舐めあげて切っ先に唇を付けてチュッと吸って、ゆっくりと口に含む。 頬の裏側に当てるようにして顔を上下に動かし、舌を絡めて吸い上げれば雷音が腰を震わせた。あまり大きい方ではない万里の口には、雷音のペニスは大き過ぎるようで少しだけ眉間に皺を寄せるのが見えた。 「全部、咥えなくていいですよ。まだ、デカくなるから」 髪を撫でながら言うと、睨みつけるように下から見られた。まだ育つのかと言わんばかりだが、万里相手に育つに決まっているだろうというものだ。 万里は雷音のペニスを咥えながら、中で舌を絡めてゆっくりと顔を上下に動かし始めた。そうしながらアンダーウェアを脱ぎ去って、自分の昂ぶったペニスを掴んで扱き始めた。 「狡いなぁ、そっちは俺に触らせて欲しいのに」 雷音は長い腕を伸ばして、興奮して立ち上がる胸の果実を指の腹で撫でた。万里が身体を震わせて声を上げたので、雷音は気を良くして捏ねるようにして少し強めに果実を弄んだ。 「ん…っつ！！ん…」 くちゅくちゅと万里のペニスから卑猥な音が聞こえる。フェラしながらするそれは、かなり悦いと聞いたことがある。 その証拠に万里は耽けるように必死に自分を慰めている。 見ている分には楽しいが、さすがにつまらないなと雷音は上体を起こすと万里の足を掴んで自分の方へ引っ張った。 「あ…！雷音…！」 「こら、離しちゃだめでしょ。続けて」 雷音は万里の身体を自分を股がらすようにして身体の上に載せると、指を舐めて万里に見せた。 今から何をされるのか想像したのか、雷音の身体に当たる万里のペニスがヒクッと跳ねた。 「全部、丸見えやん…」 「あんたの身体で見てないとこなんてないんだから、今更でしょ。ほら、続けないと何もしてあげないよ？」 雷音が万里の内太股を指先で撫でると、万里は音がするほど息を飲んでペニスをまた咥えた。それを合図のように期待にひくつく窄まりを指先で撫でて、ゆっくりと指をねじ込んだ。 「んっ！！」 「あれ？ちょっと柔なくない？準備してくれたんだ。はー、見たかったなぁ。今度、見せてくださいよ」 雷音はさも残念そうにそう言うと、それならばと指を増やして根元まで中に入り込んだ。 「あ！！ら、雷音、あかん！」 一気にねじ込んで指先にある快楽のスイッチをぐりぐりと潰すように弄れば、万里が身体を跳ねさせて雷音のペニスから口を離した。 「自分の指じゃ、届かなかったですよね？俺、結構、指長い方だから」 「奥…いや…」 ブルブルと震えて嫌がってはいるが、雷音の身体は万里が垂らした快感の涙でぐちゃぐちゃに濡れている。ツーっと腹の腹筋を辿るように垂れて、雷音は万里を持ち上げるとそのまま身体を起こした。 「奥、好きでしょ」 後ろから抱きしめるようにして耳元で囁くと、耳朶を赤く染めて頭を振る。雷音はそれを唇で甘噛みすると、ナイトテーブルの引き出しからローションを取り出した。 「ら、いと？」 「俺は、あんたの中に早く入りたい」 雷音は自分の腹にローションを垂らした。それはすぐに川の流れのように勢いよく流れて、雷音の上に座る万里の尻に流れ着いた。 「腰、上げて」 「え？」 背を向けたままの万里が、このまま！？と言わんばかりに身体を捩ったが、雷音はお構いなしに軽い身体を持ち上げると先ほどまで指で弄り倒していた窄まりに、育ちきったペニスを当てた。 滑っていったローションがペニスを濡らし、万里の蕾に軽く押し当てただけでつるっと中に入り込みそうな感じだ。 「雷音！ちょお待って！」 万里が急すぎるのか暴れたが、雷音はお構い無しにそのまま万里の身体にペニスを捩じ込んだ。 背面座位の格好で奥深くまで入り込む。角度のせいか万里の快感の芽をペニスの腹で擦ったせいで、万里が小さな悲鳴を上げて内太股を痙攣させた。 最後の最後まで、これ以上もう入らないというところまで捩じ込むと、雷音は後ろから万里を抱きしめて顔を覗き込んだ。 「エロい顔」 トロンとした目尻は赤く色づき、締りのなくなった唇から涎が垂れていた。雷音はその唇を舐めると直ぐに乱暴に奪う。 顔を横に向かすことで喉を晒させて舌を捩じ込むと、乱暴にされて感じたのか万里の中の雷音を更に締め付けた。これ以上はじっとしていられないと、キスをしたまま万里の身体を動かすと大げさなくらいに万里が痙攣をした。 「う…あ、ああ、はぁ…ん」 「イっちゃったね」 唇を離して前を覗き込めば、万里が雷音の太股に絶頂した証である白く濁った体液を吐き出していた。 はぁはぁと肩で息をする万里の頬に口付けて、雷音はそのまま上体を倒して万里の手を後ろに引っ張った。 「あ！！！雷音っ！…あ、あ…、俺、イったばっか…っ！！」 万里の抗議を”そうだね”なんて軽い返事で返して、力が入らないのをいいことに万里の身体を好きなように動かす。 前後に動かして下から腰を回してやると、また雷音が足に濡れたものを感じた。 「また出ちゃった？あー、中、やばい…」 「はぁ…！っ…、ああ！あ、雷音…、あ…」 万里が絶頂を迎えるたびに雷音が入り込んだ中は顫動を強くする。ぐにゅぐにゅと動く腸壁は、雷音の雁首をゴリゴリと刺激し快楽を呼び起す。 それに何度も達しそうになるのを耐えながら、ようやく上体を起こした。 「マジでやばい…」 万里の肩口に顔を置くと、蕩けた目をした万里が雷音の手を握った。 「気持ちええ、これ…。後ろからあんたに抱きしめられてんのもええな」 うっとりした顔で言われると、愛おしさが込み上げる。雷音は万里の首筋を舐め上げ、少し強めに吸い付いた。 「好きだよ、本当に」 雷音は万里の手を握り返して、反対の手でまだ頭を擡げたままのペニスを掴んだ。 「ああ…ぁ…っ！もう…っ、あかんて…っ、あぁ…ぁ…あっ！あ……」 「一週間くらい監禁したい。ずっと抱いときたい。あんた見てると、どんどんやらしくなる、俺」 ぐちゃぐちゃに濡れたペニスをゆるゆると上下に扱くと、万里が頭を振る。そしてそれだけでは足りないのか、自ら腰を振り始めた。 「あ、すげぇ…いいよ、そのまま動いて。俺も出そう」 「雷音…！…、らい…っ！ん…！あぁ…！ッ……」 舌足らずに名前を呼びながら一心不乱に腰を振る姿は、雷音にとって最高のエロチズムだ。 ぎゅうぎゅうと中で雷音を締め付けながら、接合部分から淫猥な音色を響かせる。中の雷音を自分で快いところに当てるように腰を振る仕草は、娼婦そのものだ。 「あー、もう無理」 雷音は我慢も限界と万里の膝の下に両腕を押し込んで、その身体を持ち上げた。持ち上げたことで更に奥に入り込んでくる凶器のような雷音に、万里は震えるほど感じてしまった。 捲れあがったヒダがギュッと締まり、気持ちがいいと言わんばかりに雷音に訴えた。雷音もそれを感じたのか、快楽の赴くままに万里の身体を上下に揺さぶった。 「ひっ…！ら…、雷音…！！！あ…ぁ…！だめだめだめ！出る…！あぁ…、イく…っ！あぁ…！イちゃ…！！」 キュウっと足の指先を丸めて万里が身体を強張らせた。そしてボトボトと透明に近い液を股の間から垂らすと、雷音もくぐもった声を上げて万里の中に存分に蜜を注いだ。 「ふふ…もう無理やて」 ベッドの上で万里は雷音に後ろから抱きしめられ、首のタトゥーや耳に口付けを落とされる。二人して戯れ合うようにして甘い蜜のような時間を過ごした。 もうこのままずっと、組のことも全部忘れて腕の中に居て欲しい。そんなこと許されるわけもないし、万里がその選択を絶対にしないことを分かっていても雷音はそう望まずには居られない。 万里は仁流会でも武闘派と言われる明神組の若頭で、常に戦闘の最前線に立つような男だ。いつ、失うか分からない。 雷音はそれに死ぬほど恐怖を感じた。万里を失うこと、そんなこと想像もしたくないし想像も出来ない。 万里はぎゅっと抱きしめてくる雷音に小さく笑うと、その腕を解いてベッドから出て行った。 「どこ行くんですか？」 「あんたに渡すもんがあったん、忘れとったわ」 万里は全裸であることに恥じらいも見せずに部屋を歩くと、自分の鞄から箱を取り出して、またベッドに戻ってきた。そして雷音にそれを渡すと、ベッドに腰掛け一緒に持ってきた煙草を咥えた。 「何これ」 「あげるわ。あんたが前に欲しい言うてたやつ」 そんなこと言ったことあったか？と雷音は起き上がると、箱を開けた。そしてそれをゆっくりと瞬きをして確認するように見つめると、直ぐに箱を閉じた。 「え？は？なに、これ」 「え？それやろ、欲しい言うてた時計。色々種類あってんけど、俺の好みでチョイス」 「いやいやいや、あの時は身バレしたくないから、咄嗟に…いやいや、これいくらするか知ってるんですか！？」 「知ってるよ、俺が買うてんから」 真っ青になる雷音とは反対に万里は何を言っているんだと言わんばかりだが、今、雷音の手の中にあるのはスイスを代表する高級時計製造の基準となっているブランド、PIAGET のEMPERADOR COUSSIN ウォッチだ。 「俺なぁ、ぶっちゃけ趣味ってあらへんのよ。いや、格闘が趣味か。鬼塚組の組長も鬼頭組の若頭も車が趣味やねんけど、俺、車もそない拘りあらへんし。目のせいでサングラス集めるんは趣味みたいになったけど、一個、好きなん出来るとそればっかりやねん」 「は？はぁ…」 この時計とどういう繋がりがあるんだと雷音は首を傾げた。その雷音に万里はニコッと笑うと、煙草を灰皿で揉み消すと雷音の隣にゴロンと転がった。 「やから、今回、それを選ぶんがめっちゃ楽しかってん。人に物贈るって身内以外あらへんかったから、ええな、こうゆーん」 どこか照れくさそうに笑う万里を雷音は痛いぐらいに抱きしめた。 「あんた、本当…たまんない」 可愛いとか好きとか、そういうのじゃもう足りない。安っぽい言葉で気持ちを伝えたくはないので、とにかく抱きしめた。 「喜んでくれたみたいで、よかった」 「喜ぶでしょ、PIAGETの時計ですよ…。いや、それだけじゃないけど…大切にします」 万里はそれに大きく頷いて、雷音の頬に口付けた。