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第11話
次の日、朝早くに叩き起こされた俺達は朝食もそこそこに車に押し入れられ、特殊な窓のせいで外の風景も見られる事のない何時間もの退屈なドライブをさせられた。
「外くらい見せてくれてもいいだろう?」
そう言った俺に大男は無言のまま。Jは助手席でPCに熱中していて、俺の言葉が聞こえていないのかやはり無言。
「開けろよ!」
騒ぐ俺の声が流石にJにも耳障りだったようで、ゴソゴソと何かを取り出して不機嫌な顔でこちらに振り向いた。
「うるさいと、これ!打つけど?それとも全員に目隠しの方が良かった?」
「チッ!」
Jの言葉に舌打ちする俺の服の裾を月が引っ張る。」
「なんだよ?」
「やめろって……注射も目隠しも俺は嫌だからさ。」
そう言って俯き口を閉じる。
「やはり性格というか質というのは面白いものですねぇ。αは抗いΩは従順。
かく言う私も抗ってイタイ目をみました。」
ふふふと笑って手に持ったものをしまうと、Jは再びPCに熱中し出した。
「やる事もない、外も見られないんじゃ寝ていた方がマシだろう。」
呟いた俺に兄貴がでもなと口を開いた。
「どこに連れて行かれるにしろ、少しでも状況が分かった方が、何も分からずにその場所に行くよりはマシだろう?時間とか匂いとか雰囲気とか。そういったものでなんとなく想像できるしさ?」
兄貴の言葉に分かったよと言って見えないながらも周囲に気を配る。でもあまりの退屈さに結局は3人共いつの間にか寝てしまっていた。
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