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第21話
「……っ!んっ!くぅ!っめ……やめ…っ!」
唇を噛み、身を捩り、俺の手と舌から湧き起こってくる快楽からなんとか逃げようとする。
「空は本当に嘘つきだよな。こぉんなに気持ちいいよって身体は俺に教えてくれているのに、口ではやめろなんてさ。ねぇ?乳首噛まれるの好きでしょ?それと舌先で転がされるのも……こんな風に。」
指で下から上に向かって乳首を弾くと、空の声がこぼれる。
「んんっ!くぅっ……ん!」
「それから、口の中に入れて舌先で……」
空のぷっくりとした乳首を口の中に入れて舌先を動かして高速で舐める。
「んーーーーーーっ!んっ!んっ!……やめ……んーーーーーーー!!!」
空が嫌がって手で俺の肩を押して退かせようとするのを、先ほどよりももっと早く舌を動かし、その手で逆に俺の背中をぎゅっと抱きつかせる。
「なぁ?空さ、乳首でイけちゃうんじゃね?……って、もうイっちゃってるじゃん!へぇ?ヒートなのかしんねぇけど、空ってすごいエロい身体してたんだな……ピクピク痙攣しちゃってさ、はぁ、マジで愛してるよ、空。」
ペロッと舌で乳首を舐めるだけで、空の身体がビクンと反応する。
「何だ……よ、これぇ?やなのに……陽は弟なのに……ダメって分かってるのに……気持ち良く……て、おかしくなる。」
空が息を荒くしながら涙目で俺に訴えかけてくる。
「空……もうさ、諦めよう?運命は俺逹が抗えるようなもんじゃなかったんだって!空の甘い匂い、どんどん強くなっていく。でも、犯したいって思ったさっきのΩへの感情とは違って、空を愛したい、愛してる。俺が空を守りたい。そう言う感情で胸が熱くなる。空……兄貴として今まで俺逹の事守ってくれて、助けてくれてありがとな!」
「陽……じゃあ、もう……」
ホッとしたような声を出して俺を見た空の顔が凍りついた。
「だけど、俺がαとなったこれからは俺が空を守ってやるからな!αとして番となったΩは、特に俺達は生まれる前から決められていた運命の番。だから俺が絶対に空を守る。分かったらもう逃げようなんて思わない事だ。俺のモノなんだから、俺だけの言う事を聞いて、俺だけに空の優しい笑顔を向けていてくれ。いいな!口答えも反抗も認めない!分かったら、さっさと後ろを向け!」
ビクッと飛び上がった空が俺の言う通りに後ろを向く。
「もう、空は俺の言うがまま。いいか?他の奴らに笑いかけたりすんじゃねぇぞ!そんな事したら、部屋にぶち込んで拘束したままにしてやる!いいか?返事は?」
「はいっ!」
俺の異常な迫力に、震えながら空が返事をする。
「可愛いなぁ、空。ここももう俺を誘うようにピクピクしてる。へぇ?これが体液か……もう、我慢できなくて足に垂れてるぞ?」
「言わないで……やだ!やっぱりダメ……だよ……こんなコト、おかしいよ!!」
腕をプルプルと震えさせながら四つん這いで俺に尻を向け、今すぐにでもぶち込んで欲しいって言うように腰を振って穴をひくつかせてる奴のセリフじゃねぇよな。
くくっと笑うと、指を唾液で濡らして、シワ周りをツーッとなぞる。
「ぁああっ!んっ!っめて!やめ……ぁあっ!」
背中が反って腕から力が抜け、腰が高い位置のままで上半身をテーブルに突っ伏した。
「陽……ダメ……触らない……ぃやぁあああっ!」
つぷっと指を入れると膝が崩れ落ちて全身がテーブルに突っ伏したうつ伏せになる。
「ここ、いいんだろう?嘘ついても俺には分かる。空が気持ち良いところ、触って欲しいところ……そして何が欲しいのかも。」
最後の言葉を耳元で囁くと、空が懸命に頭を振った。
「違う!俺は何も欲しくない!気持ち良くもない!やめろ!もうやめてくれ!!」
「まだ、空には分からないのか?俺達は運命なんだ。運命からは誰も逃れられない。俺には分かる……だからもう諦めて、運命を受け入れろよ。」
「だったら、月はどうする?月もお前の運命の相手なんだろう?」
ふっと月の泣き顔が脳裏をよぎり、何とも言えない悪寒が背中をビクッとさせた。
「月……か。」
含みのある俺の言葉に空が青ざめる。
「月には手を出すな!お前、月を先輩の元に帰すって約束しただろう?!」
そう言えばそんな約束をしたなと思い出し、チッと舌打ちする。
こんなに運命の番とのセックスが気持ち良いと知っていたらあんな約束しなかったのに。
俺の顔を振り向いて見た空が、唖然とした表情で俺を見つめる。
「お前、月にも手を出すつもりなのか?」
絞り出した声で嘘だろうと俺に問いかける空に、だったらどうする?とニヤッと笑いながら反応を見る。
空は弟思いの優しい兄貴だ。月までもが自分と同じ目に遭うくらいなら自分の命を捨てでも弟である月を助けようとするだろう。
「月には……月には手を出すなっ!!」
「手を出すな……ねぇ?なぁ、空さ、自分の立場わかってる?空はΩで俺はα。Ωはαの支配下に置かれ、その代わりに守られる存在。だからさ、俺に命令?っざけんな!!」
入れていた指を一気に3本に増やして中をグチュグチュとかき回す。
「ぅあああああああっ!嫌だ!出せ!抜け!やだ……抜け……んっ!いや……ぁあっ!やっ……んぁああっ!!」
激しい抵抗も束の間、感じさせられていく身体をどうにもできず、空はビクビクと痙攣を繰り返しながら、性器を敷いてある毛布に擦り付けている。
「んんっ!やぁああっ!ダメ……ってる……のに……んっ!んんっ!」
くねくねと動く腰。ふふっと笑いが止まらず、ハハハと高笑いする俺に驚いた空が動きを止めた。
「な……何?」
「なぁ、空。気が付いてるか?ずっと俺の指に合わせて腰揺らして毛布に一生懸命擦り付けてるの。気が付いてる?」
え?と言う顔で自分の状況に気が付いて全身を真っ赤にさせる。
「なぁ?だからもう嘘はつくなって!俺で気持ち良くさせてやっから、な?」
ぬぷんと体液でベタベタの手を取り出し、それを自身に擦り付ける。
「やだ……ごめん……ごめ……っなさい!入れないで!それだけは、お願いだから!」
泣きながら叫ぶ空に、だったら月に……と視線を部屋のある方に向ける。
「なっ!?ダメだよ!月とは約束しただろう!」
「俺さ、もう限界なんだよね。今から月を犯しても、まぁどうせ運命の番だから、いつかはそうなるわけだろう?だったら今でもいいわけだよな?空がそんなに嫌がるなら、仕方ないもんな?」
「お前っ!お前、兄弟を犯すって言うのか?!双子の月を犯すって……!」
「そんな風に睨んだって、俺に組み敷かれて動けもしないあんたが何言ってるの?双子だろうが兄弟だろうが、Ωはαに支配されるモノだろう?いいか?金輪際アニキ風を吹かせるな!あんたの所有者は俺だ!いいか?!」
「だったら!だったら、俺はお前のモノになってやる!……その代わり、月には手を出すな!今まで通りの双子として接しろ!」
堕ちた……!
心の中で高笑いが止まらない。
これが、α!他人を自分の思い通りに動かす能力。
αとして覚醒していく事がこんなにも素晴らしい事だったとは!
さて……最後の一押し。これで空は俺のモノになる。
「……しろ?Ωである空が、αである俺にしろ?違うだろう?頼み事をする時には何て言うか、母さんに教えてもらったよな?」
「ここで、母さんの事を出してくるな!!」
真っ赤な顔で睨みつける空の穴に一気に指を3本入れる。
「ぅあああああああっ!!やめろ!!やめろーーーっ!!」
悲鳴をあげる空を無視して、先ほどよりも激しく痛めつけるように中を擦る。
「やめっ……やめて……」
「お願いするんだろう?何て言うんだっけ?忘れたら母さんが泣くぞ?ん?空お兄ちゃん!」
「くぅっ!やめて……やめてくだ……さい。」
これで終わりだ!
分かったよとぬぷんと指を抜く。
それで?と言う俺の言葉に、空がそれでも一瞬躊躇うが、ぐっと唇を一文字にしてごくりと喉を鳴らし、口を開いた。
「お願いします。俺の事は何をしてもいいから、月には手を出さないで……下さい。」
うつ伏せのままでそれだけ言うと、肩が震えた。
「やればできるじゃん!そうだな、空の頼みじゃな。」
「本当に!?」
空が俺の言葉に嬉しそうに顔をこちらに向けた。
まだ、お前は堕ちるんだよ。
俺の心の奥からどす黒い感情が声となって俺の口から出た。
「欲しいものを言え!俺にどうされたいか言え!空、お前が俺のモノだと言うなら、俺の言う事、聞けるよな?」
それまでの嬉しそうだった顔が、一気に青ざめ涙が頬を伝う。
「そんなの……言え……な……」
「言えっ!俺に頼むだけで自分はなにもしない気か?!そんなのどう考えてもおかしいだろう?ほら、言えよ!!何でどうして欲しい?」
「……無理、です。許して下さい!お願いします!!許して下さい!!!」
身体を震わせて涙で顔を汚して必死に願う空に、俺の全身は悦びに打ち震え、今にもイってしまいそうだった。
しかし、それをぐっと我慢して、わざと大声を出して威嚇する。
「許す?何で俺がお前を許すんだ?俺が言った事はやらなければいけない、やると言う一択しかないんだ!いいか?言われたらやるんだ!!分かったらこれ以上俺を我慢させるな!!」
俺の怒号に空の体が固まり、すぐにぶるぶると震え出す。
「ごめんなさい!ごめんなさい!!」
「あーあ、空。俺も悪かった。怒鳴ったりしてごめんな?でも、空は俺のモノになったんだ。わかるよな?所有物が持ち主に反抗的な態度を取ったらダメだろう?空さえきちんと俺の言う事を聞いてくれれば、俺は空でも十分だからさ。だから……な?言ってくれるよな?」
まるで子をあやすかのように頭を優しく撫でて言い聞かせる。
「本当に?本当に俺で十分?」
「ああ。十分だよ。だから、言ってくれるよな?何でどうして欲しいかって。あ、自分の手でそこを拡げながら言ってな?」
「え?!」
少し気が落ち着いた空の顔が再び凍りつく。
「そんなの……?!」
俺が空の口に指を押し付けて黙らせた。
「できないは、なしって言ったよな?!」
静かなドスの効いた声に空の体がブルっと震えてぎゅっと目を瞑った。しばらくしてその目を開けると、おずおずと両手を自分の背中に回して穴をゆっくりと拡げていく。
「ここに……うっ……ここに……陽の……うぅ……」
涙で声が詰まる。
「仕方ないなぁ、空は。ほら、あまり泣くと萎えちゃうよ?そしたら他の誰かに……」
俺がまたも視線を部屋のある方に動かす。
それを見た空が言うから!と言って、再び穴にかけた指にぎゅっと力を入れると、口を開いた。
「俺のこの穴に、陽のその……それを入れて下さい!!」
一気に言うと顔をテーブルに突っ伏した。
「うーん、何がが分からなかったなぁ。それって指?それとも足、とか?」
嫌がらせと分かっていても、空が泣いて抗う姿が可愛くて止められない。
「そんな……だって、何て言ったらいいのか分からなくて……恥ずかしいし。」
「分かったよ。だったらどうしようかな?ちんちん?ペニス?AVとかだとどう言うんだろう?」
「分からないよ!!恥ずかしすぎてもう嫌だ……あ、嘘!そうじゃなくて……ちゃんと言うから!」
大分、躾けられてきたな。
懸命に俺に謝る姿にほくそ笑む。
「仕方がないな……んー、ちんこでいいよ!言いやすいだろう?」
「陽の、そんなに可愛い感じではないんだけど……」
空の言葉に改めて自分のを見ると、確かにと言って笑った。体格も力も覚醒しているのを感じていたが、ここもとは……
「じゃあ、言います。」
「指と腰も振れよ?俺を誘うようにさ?」
「え?!……はい。」
もう、抗いの言葉はなく、それでも誘うとは程遠いぎこちなさと拡げる指の震えが俺への服従を拒否しているように見えて、でもそれは俺の征服欲を増すだけだとは空はわかっていないんだろうなと思いながら、乾き出した自身にペッと唾を吐いてそれを擦り付けていく。
「僕の拡げているこの穴に陽のちんこを入れて下さい。」
「入れるだけか?」
「うっ……入れて、気持ち良くして……欲しいです。」
最後は囁くように言うと、ぎこちなく腰を振って俺を見る。
「ダメ……だった?」
首を傾げた様子が可愛くて、唇を舌で舐めつつ拡げている穴に向かって行きながら言った。
「合格。」
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