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第26話

「陽っ!陽っ!!もっと奥……そこぉ!!もっといっぱい激しく……あぁっ!んっ……くぁああああっ!」 激しく腰を突き動かして、陽の言うがまま奥深い所に入っていく。 「空、ここだな?いいよ……空の中、すっげー気持ちいい!!なぁ、出していいよな?中に俺の精液、欲しいだろ?」 「うん!陽の、早く出して!!」 「分かってる……っ!」 ぎゅうっと絞る空の中に熱い欲望を刻み付けて俺は空の中から抜けると、隣で気持ちよさそうに眠る空の髪を撫でた。 「どうしたら……どうしたら月を……くそっ!!」 俺の声に空がどうした?と言って目を開けた。 「あ、いや、月の事を考えてた。」 そう言ってから空に大丈夫か?と尋ねる。 「月が心配か?」 空の言葉に当たり前だろうと答える。 「あいつ、先輩に会えるって楽しみにしてたのに、ダメだって分かって凹んでた。もし帰れたとしても先輩と番になるのは難しいって話だし。月がヒートになったらどうやって俺、我慢したらいいんだ?」 頭を抱える俺の腕に柔らかい感触を感じて顔を上げた。 「空?まだ衝動が治らないのか?」 俺の腕に唇を当てる空が心配で尋ねると、そうじゃないと言って俺の腕の中に体をねじ込んできた。 「どうしたんだよ、空?!」 抱きしめる格好で俺の胸に顔を埋める空に驚き、声をかけた。 「俺、変なんだ。今は頭もスッキリしてるし理性もしっかりある。なのに、陽が月の事を心配してるの聞くだけで胸がザワザワしてすごい嫌な気持ちになる。」 「え?!まさかだけど、月に嫉妬しちゃってる?」 俺の言葉に空の体が真っ赤になった。 「マジで?月に嫉妬してるの?」 「言うなよ……俺が一番びっくりしてるんだから!」 「なぁ、顔見せろよ?」 「やだよ!」 嫌がられると無理矢理にでも見たくなるんだよなぁ。 「なぁ、空さぁ、今って普通?」 「普通だと思う……けど?」 「ヒートの時ってΩは番のαの事しか考えられなくなるんだって。だからさ、その嫉妬っていう感情もヒートのせいかもよ?」 「違うっ!これは違うっ!!」 いきなり激しく否定する空に俺の方が驚いて言葉が止まった。 「俺、お前と月が羨ましかったんだ……双子だからいつも一緒で、言わなくても分かり合ってて、同じ兄弟でも二人との間にはいつも壁を感じていた。だけどお前と番になって、俺だけが月の知らないお前を知っているって思ったらなんか嬉しかったんだ。これはヒートとかとは関係ない、ずっと俺の中にあった感情だ。」 空の話は俺には思いもかけない事で、頭がその情報を処理できないでいた。 「でも、もうしないんだろ?俺も我慢するから。陽も我慢してな?」 「話、聞こえてたのか?」 うんと頷いた空が、俺の腕の中から離れようと身を捩った。 「おかしいくらい冷静な部分があってさ、それでも陽が欲しいって気持ちは抑えられないんだけど、だから全部覚えてる。」 ようやく俺から離れられた空の腰を掴んで再び俺の胸に引き寄せた。 「うわっ!!どうしたんだよ?!」 驚きの声を上げる空の耳に唇を寄せ、耳たぶをそっと唇で挟みながら囁いた。 「この状態での空を抱かせて?いや抱く!俺、どんな状態でももう空を兄貴として見られないんだ。ヒートの匂いで理性失って抱いてるって空に勘違いされるの嫌だから、俺がちゃんと空を愛して抱いてるって分かってもらいたい。」 「ダメだ!俺は兄貴としてお前を止めなきゃいけない!だからそんな甘い言葉を囁くな!」 耳まで真っ赤にした空が全身を震わせて大声を上げるが、俺には空が抱いてくれ!俺の事を愛してる!という声に聞こえた。 「なぁ、そうやって自分の心に嘘つくのやめなよ?兄としてなんて言い訳も意味がないって分かってるだろう?」 指を空の背中に回し、さっきまで俺を受け入れていた穴に指を這わせる。 「ひぁっ!!」 「可愛い声。なぁ、分かるよな?俺のが欲しくて、もうここから体液が滴ってるの……マジでエロくて可愛い。なあ、いいだろ?俺が本当に空を愛してるって証明したい。ヒートが治まっている今だからこそ空を抱きたいんだ!」 「うぅ……陽ってそんな強キャラだっけ?」 「αとして覚醒したからかなぁ?」 そう言いながら空の背中を指でなぞる。 「はぁああああっ!」 ゾワゾワっと震えて空の背中がのけぞったのをそのままベッドに押し倒す。 「あ、ズルい!ダメだってば!こんな事……」 俺のじっと見つめる目と合った空が横を向く。 「そんな顔、するな。流されそうになる……」 「今更だろう?流されろよ?空の全てを俺が受け止めてやるから、俺に流されろ!」 「ズルいよ……弟のくせに格好良すぎ……ズル……い……んっ!」 空の口を俺の口が覆って言葉を塞いだ。 「もう……諦めろ。俺が全部受け止めて守ってやる。」 「んっ!んんっ!」 こくこくと頷く空の熱い吐息と俺の息が混じり合い、今までの欲望だけとは違う感情で抱き合った俺達。絶頂を感じながら差し出されたうなじを噛みながら、俺はようやく空と番になれたという充足感に包まれながら、空の中に温かい液体を吐き出していた。

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