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第30話
カチャカチャと部屋に響く金属音。それに時々合わさるようにもれる呻き声。唇を噛み、感じているのを我慢しても我慢しきれずにもれ出る空の声が、俺の支配欲を駆り立てる。
「んっ!くぅっ!やめ……んっ!もっ……んぁっ!抜い……て……く……んん……やっ……ぁあっ!」
「抜いて欲しい?嘘だろう?自分でも分かってんだろ?俺の指を一生懸命奥に奥に引き込もうとしてるの。すっげーよ、空のここ。ひくついてべたべたで……なぁ、欲しいって言えよ?」
「ちがっ!欲しく……んっ……な……ぁああっ!」
欲しくないなんて言っておいて、俺の指をきゅんきゅん絞ってくるから、間接的にその刺激が俺の股間を直撃して我慢も限界……
だけど。
「欲しいって、番になるって言えよ!もう空は俺じゃなきゃダメなんだって!運命ってさ、抗っても結局はそこに収まるもんなんだよ、多分。だからさ、もう抵抗すんなよ。俺のモノになるって言えよ!」
「やだ!絶対に、俺は……ぁあっ!」
空の体が今まで以上に大きく跳ねる。
「ここだろう?ここを俺のでこうやってとんとんって刺激して、ここをこんな風に擦って……こんな細いのじゃなくてさ、俺の奥まで届く太いの、欲しいよな?」
俺の指が空の中を刺激するたびに、空の体はビクビクと痙攣したように震えるが、それでも必死に頭を振る。
「はぁ、嘘つきだな、空は。俺には分かるんだよ、空の良いところ。もし、本当に感じてないなんて言うなら、このビクビクして止まらない腹の痙攣を止めて見せろよ!」
「うっ!んんっ!そこ……っわるな!んああっ!」
言われて腹に力を入れて見せるがそれも長く続かず、それでも俺に抵抗しようとする空にだったらともっと強い刺激を与える。
「やめっ!やっ……んぁああああっ!もう、たす……はぁああああっ!」
のけぞった体、甲高い金属音と空の喘ぎ声。それらが素晴らしいハーモニーとして俺の全身を満たしていく。
「兄貴ヅラしたってさ、こんな痴態を晒しちゃったらもう今更?でしょ?俺のモノになるって、番にになるって言えよ!噛んで欲しいって言えよ!」
「……っだ、やだ!俺は!俺は、お前の兄貴……やめっ!もう、や……っ!
やめろー……ぁああああああっ!」
いつまでも兄貴だ兄弟だって、俺達は運命なんだ。そんなちっぽけな事にいつまでも囚われて素直になれないなら……
「いつまでも兄貴だ兄弟だってウルセェんだよ!分かったよ、空。お前が俺に泣いてせがんで許しを乞うて番にして下さいって言うまで、このまんまな?」
「え?!あ、こすら……やぁああああっ!ううあっ!ぁあああっ!そこぉ!だめ!だめぇえええええ!!」
白い体液と共にびくんびくんと大きく体が跳ねる。
「イったんだ。へぇ?兄貴兄貴って言っておいて、弟の指でイっちゃうんだ?」
「言うなよ!言うな!俺だってイきたくてイった……やめ……もう嫌だ!もう……うぁあああああっ!」
ぐちゅぐちゅと音をさせて指を増やして出し入れを激しくすると、我慢していたはずの口はだらしなく開き、喘ぎ声を段々と大きくして足をつっぱらせる。
「イく!イっちゃ……イっ!あぁあああああ!」
「ほら!欲しいって言えよ!番にしてくれって言えよ!うなじを噛んでくれって言えよ!」
「たす……け……うぁああああああっ!」
再び腰をのけぞらせて白い体液で腹を汚す。
「兄貴っ!?」
その時、いきなり仕切りが開いて月が中に入って来た。
「月?!どうしたんだよ?」
俺の言葉を無視して、月が一目散に空のもとに駆け寄ろうとした。
「来るなっ!!」
それに気が付いた空が震えながら俺の下で大声を出す。
「だって……こんなの……陽!番になったって嘘だったのか?!」
「ちっげーよ!ヒートが終わったら、全部無かった事にしろみたいに言い出してさ。もう空は俺のモノだって、番になったんだって言ってるのにそれでも違うって騒ぐから、その体に覚え込ませてたところ。」
「それでも、こんな嫌がってるのに……」
月の視線が俺の下で震える空から離す事なくぼそっと呟く。
「月、ここ見ろよ?これは俺の出したもんじゃないんだ。気持ち良くてイった空が出したもんなんだ。な?分かるだろう?嫌だって抵抗してもさ、こうやって実の弟にイかされてんだよ!それにもう俺は空のうなじを何度も噛んでるんだ。今更そうじゃなかったは通じないんだよ!」
月に向けて言った言葉が空に突き刺さる。
「ヒートだったから!!俺だってどうしようもなかったんだ!!辛くて熱くて苦しくて……でも陽のが腹の中に出された時だけ落ち着くんだ……くそっ!なんでこんな体になっちまったんだよ!?もう嫌だ!!助けて……っ!」
空の中に入れている指をつーっと動かす。
「陽っ!!……っごかす……な……んっ!」
「兄貴、どうしたの?苦しいの?」
月が心配して止めていた足を動かす。
無知というか無邪気ってこえーな。
くくっと心の中で笑いながら、指を奥に向かって動かしていく。
「んくぅ……やめ……ろ……んぁああっ!」
突然の空の甘い声に月の足が再び止まった。
「今のって……兄貴?」
「月!出てけ!頼むから、でていっ……ぁああああっ!やだ……そこ……はぁああん。やめ……こすらない……んくぅっ!んっ!んぁあっ!あっ!あぁああっ!」
月に見えるように指を動かすと、空の声がだんだんと大きくなっていき、キュンキュンと俺の指を絞り出す。
「イくところ、月に見せてやろう?空が可愛く鳴いて腰をのけぞらせて体液で自分の体を汚す無様なところをさ!」
「やだぁああああっ!!!」
一際大きい声で叫ぶ空に、それでも今までの月なら足を動かしたのだろうが、目の前で実の兄貴が同じ兄弟に犯されて感じまくってる姿を見せつけられて、その足はまるで時間が止まっているかのようにピクとも動かなかった。
「もう!もうダメ!!月ぃ!出て行って!!ぁあああっ!!!」
弟の前でその無様な姿を晒し、荒い息をする。
「あに……き……」
ハッとしたように月が仕切りから外に出て行った。少し開いたままの隙間から月の嗚咽が聞こえてきた。
「空、もういいだろう?良い加減自分の体に素直になれよ?運命の番にはさ、相手の気持ちいいところがわかるんだって言っただろう?隠しても隠せてないんだって!全部わかってるの!そう、してなくてもそれが分かるんだよ!」
そう言ってチラと視線を隙間にやる。さっきまで聞こえていた嗚咽はいつの間にか止まっていた。
「ここも、ここも、良いんだろう?我慢すんなって!ほら!」
乳首を強めに噛み、中のコリッとした部分を激しく擦る。太腿の内側に手を滑らせると、空の口から甘い喘ぎ声が溢れた。
「はぁああ……ぁああっ!んっ!んんっ!!」
「さっきと声変わってる。甘くてエロい声。この快感をもっと欲しいだろう?全て俺に曝け出しちゃえって!そしたらさ、もう兄貴とか兄弟とか、そんな事忘れるくらいに可愛がって愛して気持ち良くしてやるから……噛んで欲しいだろう?そ、ら?」
「ぁあああっ!もっと!もっと奥ぅ!!ジンジンする……やぁあああっ!気持ちぃい!陽!陽の欲しい!!」
ようやくか……でも、また違うって言われたら嫌だしな。
中で擦っていた指を抜くと、俺のを入れてもらえると思ったのか、空の腰が揺れた。
「ダメだよ!空は気持ち良くなったから俺が欲しいだけなんだろう?俺を愛してるからじゃないんだろう?もし、本当に俺のが欲しくて番になるんなら、証明して?」
「え?!証明?」
「そう。月!!入って来いよ!」
俺の言葉に空の顔が青ざめる。
「何……する気?」
その言葉には答えず、仕切りの隙間からおずおずと顔を出した月を手招く。
「あのさ、月に証人になって欲しいんだ。また嫌がってる空の声を聞いたら月も心配だろう?だからさ、ちゃんと空が俺と番になったところを見てて欲しいんだ。そうすれば月も安心するだろう?」
俺の提案に二人が固まった。
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