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第42話

「そうは言ってもさ……3人でっていうのは、やっぱり恥ずかしいな。」 先輩にはあんな大胆なことを言っていたのに、ベッドに倒れ込みながら空が顔を赤くして枕に顔を埋めた。 「俺はもう、2人のを何回も見てるし、先輩にも見られちゃったし、抵抗はないかな?あ、陽はシャイな方が好きだったりする?」 空とは正反対に、すでに着ていたものをババっと勢いよく脱ぎ捨て、裸で俺の股間に顔を埋めようとしていた月が、顔を上げて首を傾げた。 「どっちも好きだよ。だって2人共、俺の大事な番なんだからさ。どんな風かなんて関係ない。俺は2人共愛してるよ。」 月の顎を持ち上げて唇を合わせると、そのまま頭を下げさせた。 「もう、おっきい。早く欲しいな……。」 ぺろっと舌で俺のを舐めて上目遣いで俺を見上げながら、下から上に舐め上げてパクッと口を開けた。 「だったら、勃たせろよ?」 「勃ったら、入れてくれる?」 あぁと頷くと、枕に顔を埋めていた空がガバッと顔を上げてズルい!と大声を出して、月の横に這い寄って来た。 「俺だって欲しい!だって月はさっきさ……噛んでも貰ってたし。俺は全然だったから、もう噛み跡も薄れてて……だから……」 確かに服の隙間から見える空のうなじは、噛んだ俺でもパッと見では分からないほどに綺麗なもんだ。 「んー、俺もまだまだ疼いてるんだけど……」 空の言葉に、自分の噛まれたばかりのうなじの歯形を指でなぞりながら唇を尖らせて答える。 目に見えない2人の火花が、支配欲に絡まれた俺の気持ちを満足させる。  だが、それ以上にもっと2人に俺を取り合って貰いたいとも思う。 ニヤリと口端が上がりそうになるのを我慢もせずに、嫌味な笑いを浮かべる。それを見て俺の気持ちを分かったとしても、2人は俺を嫌いにはなれないと理解している嫌な笑い。 「何?」 それに気が付いた2人が顔を見合わせた後で、意を決したように月がおそるおそる俺に尋ねた。 「どっちが俺を気持ち良く出来るか勝負しろよ?どんな方法でも構わねえ。勝った方に入れてやるよ。」 「え?1人……だけ?」 「勝負って言っただろう?どっちにも入れてやったら、本気で俺を気持ち良くさせようとしないだろう?」 「それは……!!」 空がぐっと言葉を飲み込む。その空を横目で見ながら月が体を俺に擦り付けて来た。 「何をしても、陽がその気になったら入れてくれるんだよね?じゃあ、2人とも気持ち良くさせたら?」 「そうだな……その時は2人共に入れてやるよ!」 「約束!あ、陽は手を出さないでよ?」 月が俺の乳首をカリッと噛んでから舌で舐めた。 「いてっ!!」 俺の言葉にふふっと笑うと、そのまま舐めるのかと思っていた月の体が離れた。 「おい?」 伸ばそうとした手を体を捩って逃げるとダメだよと言ってニヤッと笑う。 双子の月のその笑いはさっきまでの俺のそれだ。 「何を考えてる?」 「陽がその気になる事は何かなって考えてるだけだよ!俺はさ、双子でずっと産まれる前から陽と一緒だったし、陽のことをずっと見て来たし想ってきた。だから聴こえてしまうんだ、陽の心の声が。」 ふふふと笑って、俺の手からすり抜けた月は空に覆い被さった。 まさか自分の方に来るとは思ってもいなかった空は驚きのあまり動けず、月を凝視しながら戸惑った声で尋ねる。 「え?月、何やってる……んっ!」 黙ったままの月の唇が空の唇と重なる。 「つ……きぃ……やぁ……っめて……んんっ!!」 空の目が俺を見つめて助けを求めるが、月の動くなという見えない糸のような視線に絡まった俺の体は身動きも取れず、月と空をじっと見つめる事しか出来なかった。 ただくちゅくちゅという2人の舌の絡まる音に、無意識にごくりと喉が鳴る。 「兄貴も陽のが欲しいんでしょ?俺も欲しい!だからさ……」 月が空の耳元で何事かをボソボソと囁くと、空の顔が真っ赤になってイヤだよ!と大声を出した。 少し月から離れようとする空の腕を掴んで、ね?と俺の股間に視線をやった。それに誘導されるように空も俺の股間に視線を向けると、目を見開いてから分かったと小さく呟いた。 「陽は動いたらダメだからね!」 月はそう言うとふふっとあの笑いを浮かべたままで、空と抱き合って唇を合わせ、俺に見せつけるように舌を絡めた。

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