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第43話
もどかしい。
我慢できずに触れようとした俺の手首を月が仕方ないなと言って、ベッド脇の棚の中から手錠を取り出して、ベッドの柵に固定するように俺の手首を拘束した。
そんな動けない俺の目の前で番2人が俺を誘惑するようにヒクヒクさせた穴を見せつけながら、その体を絡めている。
「どう?入れたくなった?」
月が上気させた頬と汗の浮かんだ体で、俺の股間を指でなぞった。
「……まだ、足りねぇな。」
本当は限界値なんかとっくに突破している。それでも俺の方から入れさせてくれと言うのは、αとしてのプライドが許さなかった。
「ふぅん?とっくに限界突破してるよねぇ?……陽がその気ならいいよ。俺達だって陽が入れたいって言うまで我慢大会だ!」
月の言葉に空はええ?!という顔で俺の股間をチラッと見た。
その目はトロンと溶けていて、来いよと言えば犬のように尻尾を振って俺に跨るだろう。
「兄貴!!ダメだよ?これはαとΩの我慢大会なんだから!」
いつの間にか規模が大きくなってる大会に苦笑しながら、空に的を絞る。
「空……欲しいか?」
俺の言葉にぶんぶんと首を縦に振る空。それを体で止めようとする月。
「だったら、もっと俺を気持ち良くさせろよ?勝負は月と、だろう?」
俺の言葉にそうだったと思い出した空が月の体をすり抜けてこちらに来ようとしたのを、月の手が空の股間を握って止めた。
「あぁっ!!やめっ!月、先っぽいじら……あっ!イっちゃ……だめ……っちゃう!あっ……ぁああああっ!!」
くちゅくちゅという音を立たせていた月の指の隙間から白い液体が飛んだ。
耳はその音しか聞こえず、無意識にごくりとなる俺の喉。
「兄貴、俺のも弄ってよ?」
荒い息でベッドに横になったままの空の目の前に月が腰を突き出す。
「俺が?」
空が少し躊躇うと、そうだよと空の上半身を起こした月の手が自分のと空の少しへなっているのを一緒に掴み、嫌がる空の手にそれらを無理矢理掴ませると、自分の手をその上から被せて擦り出した。
「あっ!!ダメ!!つきぃ、やめっ……てぇ!」
ガクガクと震える体で月に寄りかかる空の口はだらしなく開き、よだれが月の鎖骨の窪みに垂れる。
そこに月の汗が垂れ、2人の体液が溶け合っていく。
声が段々と大きくなり、2人の腰が艶かしく動く。
太腿の間からは、俺を受け入れる為の体液が溢れ出してシーツに染みを作っていく。
「ぁああああっ!」
「っんぁああっ!!」
2人が同時に背中を反らせて、白い体液でぐちゃぐちゃになった手をパタンとベッドに投げ出しながら体を倒した。
「お前ら2人だけで、何回イくつもりだ?」
呆れたような声を出すが、実のところ入れたくて熱くて、破裂しそうな股間に、土下座してでも入れさせて欲しいと言いたい気持ちだが、絶対にさせはしないというαのプライドの強さに自分自身が驚く。
「そっちこそ、そろそろ白旗上げなよ?そしたら、入れさせてあげる。」
荒い息を吐きながらも俺が動けないのをいいことに、余裕のある態度をとって煽ってくる月にくそっ!と心の中で悪態をつく。
俺が言い出した事とは言え、まさかこうも勝手をやられるとは……
嫌味な笑みを浮かべた月から空に視線を移すと、イったばかりとは言え物足りないと言った顔で俺の股間を欲しがっているのが、手に取るようにわかる。
ふっと余裕のある笑いが俺の口から漏れた。
「空……?」
呼びかけた俺のん?という視線と合った空が、こくんと頷いてふらぁと立ち上がり、俺のそばに歩みを進める。
それを見て焦った月がその手を引っ張るが、空はそれを気にも止めずに歩みを進めた。
「ダメだってば!!αに負けちゃうってば!!」
「負けてもいい!!陽のちんこが欲しい!!」
空の駄々っ子みたいな言葉に月の手が空から離れたと、今度は月がズルい!とまるでおもちゃを買って欲しいと駄々をこねる子供のように足をバタつかせた。
「俺も陽のちんこ欲しいの我慢してるのに!!兄貴にばっかでズルい!!」
俺の一瞬見開いた目が、すぐに細くなる。
「これ、取れよ?」
月に向かって手錠をチャリっと鳴らすと、月がピョンとウサギのように起き上がり、置いてあった鍵ですぐさま手錠を外した。
「ようやく……か。」
自由になった手首を振ると、見えない尾をちぎれんばかりに振って飛びつく準備をしている2人に向かって手を広げた。
「来いよ。」
言うが早いか、2人は俺を押し倒すように飛びついてきた。
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