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第53話
「え?!今日って拘束……するの?」
少し焦った表情の空の手首に手錠をかけ、それをベッドの柵に回してから反対側の手首にカチャリと音を立てて手錠をかける。
既に隣で同じように手錠をかけられている月は期待に目をとろんとさせている。
「イヤ?」
俺の問いかけにイヤじゃないけど……と横を向く。
「兄貴がイヤなら俺だけ相手にしてよ!なぁ、陽ってば、早くぅ!!」
腰を振って俺を煽る月の性器が既にこの状況に反応している。
「まったく、月は本当にエロいよな……もうこんなふうにして、可愛いよ、月。」
ピンと指で先端を弾くとはぁあああんと甘い声をあげてのけぞった。
「動けないと触れないしもどかしいよなぁ?はは……さっきよりも硬くなってるぞ?へぇ?嫌がってた割に空も反応してんじゃん?」
「言わない……あぁああ!」
空の方の先端をグニグニといじると、いつもよりも反応良く声を上げる。
「陽、俺もやって?俺もう……」
月が切なそうに俺を見つめる。
「分かってるよ。二人ともたくさんシてやるから……あ、ちょっと待ってろよ?」
スマホの震える音がして二人から離れると、机に向かいスマホを手に取った。
「……そうか。準備はしてある……あぁ。」
相手の話に最低限の言葉で返し、スマホを机に置いた。
「はぁ……なんかシャワー浴びたいな……月、付き合ってくれよ?」
言いながらベッドに向かって月の手錠を外す。
「え?!陽、待ってよ!」
広いベッドに拘束されたままの空が焦ってカチャカチャと音を鳴らす。
「空は放置!プレイだから、いい子にして待ってたらご褒美にうんと気持ち良くしてやるよ!だから……な?」
「でも……秀くんが……」
外出中の先輩の事を気にして俺に縋るような目をする。
「帰ってきたら、そん時はそん時だろう?俺もいるし、どうせもう恥ずかしい姿見られてんだから今更……まぁ、何かあったら呼んで?」
そう言って月の腰を抱いてシャワー室に向かった。
「どういう事?」
シャワー室に入った途端に月が俺から体を離して、少し怒った声で尋ねてきた。
「そのうちわかる……いや、もう分かってるんだ……」
「分かってるって、何が?」
「すぐに分かる……月、壁に手をつけ……」
それまでは歯向かうとまではいかないまでも、俺をじっと見ていた瞳が狼狽し俺から離れるように後ずさる。
「壁に、手をつけ!」
俺の威圧する声に足が止まり、恐れから青ざめ震える唇。掠れた声で答える。
「は……い……」
震える体を支えるように壁に手をつくが、その手もガクガクと震えて今にも崩れ落ちそうだ。
その手を背中から抱き締めるようにぎゅっと握る。
ビクッと揺れる背中に舌を這わせた。
「陽……はぁあああん!」
「お前は黙って俺のいう通りにしてればいい。お前だけが……お前だけなんだ……!!」
ほぐしていない穴にいきなりこじ開けるように俺自身を捻じ込んでいく。
「やだぁあああ!痛っ……やめ……やめてぇええええ!!」
ミチミチと皮膚が音を立て、俺を排除しようと抵抗する。それを腰をグッと押しつけ支配するように月の中を侵していく。
「いっ……やだ……やぁあああああ!!!」
泣き喚く顔をぐいっと振り返らせて唇を合わせる。
「俺のだ!俺だけの……っ!!」
うわ言のように繰り返しながら月の中を突き続け、その証を刻みつけた。
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