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第4話
行き先は、法皇神殿。
グロリオーサを買い求め、きれいにラッピングしてもらった。
その花言葉は、輝かしい誉れ。
本日、遠征に出ていた聖獣・ザンの神騎士ギルが法皇の間へ報告に来ているのだ。
バーラは、法皇神殿から退出したギルを待ち、この花束を贈るつもりだった。
彼は、ギルが大好きだった。
尊敬、敬愛、憧れ。
どんな言葉でも表しきれないほどの想いを、ギルに抱いていた。
女神ファタル、偉大な法皇。
それと並ぶくらい、ギルのことを想っていた。
腕に抱えた花束の香りを吸って、バーラはこれを渡した時のギルの笑顔を考えていた。
大切に受け取り、優しい言葉をかけてくださる。
そして髪を撫でて、手を繋いで歩いてくれるのだ。
バーラは期待に胸を膨らませ、ギルが現れるのを今か今かと待っていた。
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