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 —— 愛執(6)

「…… ッん…… ンン……」  キスの合間に何度もブランデーを流し込まれて、外から受ける刺激と、体内に染み込んでいくようなアルコールとで、身体が熱くて堪らない。  僕の中心は張り詰めて、先端から絶え間無く溢れる雫で、父さんの腹を濡らしていた。 「…… あ…… っは…… は…… ァッ、」  結合部から漏れる音と、父さんの腹に僕のを擦り付ける水音が、身体だけでなく、気持ちまで高めていく。 「伊織、速水凌に抱かれた時も、こんな風に感じたのか?」 「…… ん、ぁ…… ち、が……」  僕は絶頂に向かって、腰の動きを早めながら、違うと、首を何度も横に振る。 「…… 違わないだろう? 他の男と抱かれる時も、こうやって自分から求めて、乱れて、快楽を貪っているのだろう?」 「——っあ、…… ちがっ…… あっ、」  父さんの手が、僕の屹立の根元をキツく握り締める。 「——あ、や…… ッ…… !」  行き場を失くした欲が、体内で温度を上げるような感覚に、悲鳴のような声を漏らしてしまう。 「…… 後ろだけで、イきなさい。 出来るだろう?」  そう言って、父さんはそこから手を離した。  父さんの言うことは、絶対だ。 僕は、この人の命令に抗うことなんて出来はしない。  それは、僕が父さんのことを好き過ぎるから。  父さんの言いつけ通りに、自然に僕の神経は後ろへ集中する。  あの一番感じるところに、父さんのモノに擦られる映像を頭の中で想像しながら、そこが強く抉られるくらいに腰を振る。 「——あ、ッ、は…… ッ、…… はッ……」  僕の口から、吐き出される熱い息が、どんどん荒く乱れていった。  額から流れ落ちる汗を、父さんが唇で掬ってくれる。 「…… 綺麗だよ。 お前はそうしている時が一番綺麗だ」  耳に届いた父さんの言葉に、身体の血がフツフツと沸騰するようにざわめく。 「——あ……、ッ、ああ…… 父さ…… ぁ、」  頭の中が白んで、身体が宙に放り出されたような、意識を手放しそうな狭間を彷徨う。  腰から背中に甘い痺れがゾクゾクと走り、頭のてっぺんを突き抜ける。  快感に背中を反らした瞬間に力が抜けて、ふわりと後ろに堕ちて行く身体を、父さんの手に抱きとめられる。 「…… いい子だ」  そうして、ご褒美のキスをくれる。  達した余韻で、朦朧としている僕を、身体を繋げたまま父さんは立ち上がる。

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