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—— 愛執(34)
その言葉は、僕の胸を熱くする。
その言葉を、もっと聞きたいと思った。
そして、この時僕は子供ながらに何となく理解していた。
父さんの、僕を見つめる瞳と愛してるという言葉の意味を。
「…… ぁあっ……」
首筋から鎖骨と下りていく父さんの舌が、胸の小さな蕾を捕らえて、そこが唾液で濡れていくと、ゾクゾクする震えが腰から背中に駆け上がった。
舌で転がしながら吸われて、背中が弓なりに撓る。 同時にもう片方の蕾を、指先が優しく弄ぶ。
普段はあまり気にも留めない、自分の身体の一部。 なのに、今、そこは硬く尖って、まるで…… 父さんにもっと触って欲しいと、赤く熟して主張しているようだった。
その光景と、無意識に漏れてしまう自分の声が恥ずかしくて、せめて見ないように自分の顔を両腕で覆っていた。
「伊織…… 気持ち良いのなら、我慢せずに素直に声に出しなさい」
低い声で優しく響いて、父さんは僕の腕をそっと取り除く。
あの瞳に見つめられて、視線が絡み合った。
「感じるままに、身体全体で表現すればいい」
そう言って、唇を塞いで深く口づけながら、父さんの手は僕の下肢に伸びていく。
パジャマの下衣の上から撫でられたそこが、さっきから張り詰めて硬く勃ちあがっている事は知っていた。
父さんはキスを止めて、僕の瞳を覗き込み微笑んだ。
「可愛いよ、私の伊織」
そして、胸や脇腹に唇を落としながら、頭を下へとずらしていく。
「—— ッあ…… !」
硬く主張する中心を、布越しに唇で食まれただけで、身体が大きく波打った。
人にそこを愛撫されるのは初めてで、強い快感が身体中を駆け巡る。
布越しに根元から上へと、唇に刺激され、時折音を立てて吸われて、布が唾液に濡れていく。
でも濡れているのは、唾液のせいばかりではなくて……。 その先端からじわじわと溢れ出し、自身を濡らしていくのを感じて、顔だけでなくて身体中が火照っていった。
「はあぁ…… っん……」
いつの間にか父さんが言った通り、感じるままに唇から零れる自分の声にさえ煽られるように、快楽を貪り始めていた。
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