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 ―― 陽炎(17)

 服を全部脱いで、ソファーに座っている先生の膝の上で、背後から抱き締められた。  舌先が耳の溝を這い、前に回った手は胸の尖りを弄ぶ。 「……ぁあ……っ……」  既にすっかり赤く熟してしまったそこは、少し触れられただけでもピリピリと甘い痺れを生み出していく。 「……せ、んせい」  もう欲しくて堪らないのに、先生は僕の待ち望む、決定的な刺激をなかなか与えてくれない。  侵入してきた舌は、耳の中でクチュクチュと水音を立たせ、「どうして欲しいのか言ってごらん」と低い声が鼓膜を刺激する。 「ぁ、……は、やっく……」  呂律が回らなくて、上手く喋れない焦ったさに、僕は自分の屹立に手を伸ばそうとした。  張り詰めた先端からは、さっきから先走りが溢れていて、もっと直接的な刺激が欲しくて堪らない。 「ダメだよ、自分で触っちゃ。分かってるだろ?」  うなじに音を立てて吸い付きながら、先生はソファーの傍のテーブルに手を伸ばした。  手に取った容器の蓋を開け、僕の張り詰めた先端にローションを直接垂らす。 「――ぁあっ」  その冷たさと、その次にされる事を予想して、期待と恐怖にぶるりと大きく身体が震えた。  先生は、蜜口を抉るように割り開き、垂らしたローションをそのまま中に流し込む。 「っあ……や……っ」  催淫作用があるだろう液体が入ってくると、徐々に中が熱くなるのを感じ、グズグズとした疼きに変わっていく。  蜜口から溢れるほどに、しとどに濡れたそこを指先で執拗に抉り、先生はまたテーブルに手を伸ばす。 「……あ、っ ……それ、イヤだ……」  先生が手にしているマドラーのような形の、長さが15センチくらいの細い棒。  先端の球体以外にも、棒の部分に幾つもの凹凸が付いている。 「イヤじゃないだろう? 好きなくせに」  残酷な言葉と共に、先生は躊躇することもなく、それを蜜口に突き挿した。 「――ひ……いっー!」  頭の頂天まで抜けるような痛みに襲われる。  前にもこれを使われた事はあるけれど、あまりの痛みに今回も気を失いそうになる。 「ダメだよ、今日はちゃんと起きてないと」  冷酷な笑い声が耳元でこだまするのを聞きながら、意識が飛びそうになる痛みを唇を噛み締めて堪えた。 「大丈夫だよ、少し我慢すれば、すぐに良くなるからね」  僕が痛がっているのを楽しむような声で囁いて、じりじりと時間をかけて、それはねじ込まれていく。  細い道を貫ぬく熱さと痺れが、痛みなのか快感なのか、区別のつかない感覚に身体が痙攣し始めて、僕は声にならない悲鳴をあげていた。 「ほら、良くなってきただろう? こんな所まで挿ってるよ」  目を硬く瞑り、かぶりを振ると、また耳元で笑う声が響いた。 「嘘つきだね、伊織は」  先生はそう言うと、先端に突き刺した棒を、ゆっくりと抜き挿しする。 「んっ、あああっぅ、や……」  棒に付いている凹凸が中を摩擦して、細い道が押し広げられる感覚がどうしても慣れなくて、僕は思わず先生の膝の上から逃げるように立ち上がった。

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