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(04) 変な気持ちになっていいよ

ファミレスからほど近い少し広めの単身者用マンション。 その一室に、亜紀人は通された。 「へぇ、ここが隆之介の家か……」 「うん。散らかっているけどどうぞ」 亜紀人は、隆之介の家の中へと足を踏み入れた。 部屋の中でキョロキョロする亜紀人。 「ってか、本当に散らかっているな」 「……ボク、整理整頓苦手だから……」 「ったく、しょうがねぇなぁ。ちょっと待ってろ。俺が片づけてやる」 「やった! ありがとう! じゃあ、ボクは飲み物を用意するね!」 キッチンへパタパタと走っていく隆之介。 亜紀人は、それを見送って部屋の片づけに取り掛かった。 「やたら本が多いんだな……」 薄い漫画冊子が多い。 ふと、その一冊を手に取った。 「な、こ、これは!?」 『貴方好みの体にしてくれますか?』 亜紀人は、タイトルを見て思わず叫んだ。 キッチンから隆之介の声が掛かる。 「あっ君、どうしたの?」 「いや、何でもない……」 「コーヒーでいい?」 「ああ……」 視線を手元に戻す。 (エロ漫画か? 隆之介もこういうの読むんだな……意外だ) 中身をペラペラとめくった。 (やべぇ……これって、BL同人誌ってやつか!?) 亜紀人は、驚いた。 裸の男達が重なり合い、互いの体を愛撫しあう。 その描写があまりにも過激で目が離せない。 (男同士で……うわっ、すげぇ……ま、まじか……尻の穴に挿れるってこういう事かよ……うわっ、エロっ……) ふと、自分の股間がこんもりとテントを張っているのに気がついた。 (なっ……俺とした事が、いつの間に勃起して……鎮まれ、俺! ここへは隆之介の相談に乗りに来ただけだ。変な気を起こしたらダメだ!) 亜紀人は、目を閉じて、スーハー、スーハーと深呼吸をした。 (……はぁ、はぁ……そうだいいぞ、気持ちを整えてっと……よし、収まってきたな。それにしても、なんで隆之介がこんな本を……) と、その時、隆之介がひょっこりと顔を出す。 「ねぇ、あっ君。コーヒー、テーブルに置いたよ!」 「お、おう! 悪いな!」 亜紀人は、慌てて冊子を背中に隠した。 **** ズボンとパンツを脱ぎ払い、下半身裸で亜紀人の前に立つ隆之介。 震える両手で必死に股間を抑える。 「隆之介。ほら、手をどけろって」 「だ、だって……」 「だってもくそもあるか! 見えないだろ!」 亜紀人は痺れを切らし、無理やり前を隠す隆之介の手を振り払った。 「ヒャッ……や、やめて……」 ぷらん、ぷらんと、包茎気味のものが揺れる。 ちょこんとしていて、二十歳過ぎの男のモノとは思えない。 「恥ずかしいよぉ……じっと見ないで、あっ君!」 亜紀人は、へぇ、とか、ふーん、とか声を出し注意深くそれを観察する。 しばらくして亜紀人は、にこっと笑いながら言った。 「可愛いな、隆之介のは……昔の自分のを思い出すよ。ふふふ」 「……わ、笑った……ボクの見て……う、ううう」 慌てふためく亜紀人。 「ば、バカ! 泣くなよ! 別に馬鹿にしたわけじゃねぇよ!」 「本当に?」 「本当だ……隆之介らしくて俺はいいと思うよ」 「……そう、よかった」 隆之介はにっこり笑う。 「さぁ、触るぞ! 本当に勃起しないか試してやる」 亜紀人は、腕まくりをした。 **** 亜紀人は、片手で金玉をすくうように掴み、もう片方の手で竿を握りしめる。 そして、むぎゅ、むぎゅ、と緩急強弱をつけて揉みしだく。 「どうだ……気持ちいいか? 隆之介」 「う、うん……気持ちいい……でもなにか、変な感じ……あっ君に触って貰っているからかな……」 「さぁ、もっと揉むぞ。勃起しそうになったら我慢せずに言えよ」 「うん」 亜紀人の大きな手の中にすっぽり収まった隆之介の柔らかペニスは、亜紀人のされるがまま、もみくちゃに揉まれ続けた。 「はぁ、はぁ……あっ……だめ……あっ君」 「ば、ばか! 変な声を出すなよ!」 「だって……すごく気持ちいいんだもん……あっ君の触り方……はぁ、はぁ、変な気持ちになっちゃう……」 「お前が変な声を出すと、俺だって……変な気持ちになるだろ」 「……なってもいいよ……あっ君」 「はぁ、はぁ……何、バカ言っているんだよ」 亜紀人の手に力が入る。 (……それにしてもなんて柔らかいんだ。男のって、こんなに触り心地よかったか? こんなのずっと揉んでいられる……) 「あっ君!」 隆之介の声で亜紀人ははっとした。 「……おチンチンの先、熱くなってきた! 熱い、熱いよ! でちゃう……なにか、でちゃうっ」 隆之介は、はぁ、はぁ、と甘い吐息を吐きながら、目をギュッとつぶった。 亜紀人は、凝視する。 (射精? でもまさか、勃起していないのに……) すると、柔らかいままのペニスの先っちょから、透明な液体がちょろちょろと漏れ出た。 「……残念。我慢汁だ」 「はぁ、はぁ……」 「隆之介、こんなに触っても勃起しないとはな……やはりメンタルが原因だと思って間違いなさそうだ……」 亜紀人は、びちょびちょに濡れた先端部を、ティッシュで優しくぬぐってやった。 亜紀人が、「今度、病院へ一緒に……」と言いかけた時、隆之介が割り込んで言った。 「あっ君、待って! そ、その、もしかしてなんだけど……」 「ん?」 「えっと、えっとね……」 「ん? どうした?」 なかなか続きを言い出せない隆之介を、亜紀人は黙ったまま、じっと待った。 隆之介が口を開く。 「……その、お尻の穴を刺激するといいって聞いたことがあって……」 「お、お尻!?」 「あっ君! ちょっとだけでいいから、ボクのお尻の穴に指を挿れて! お願い……ボク、自分だと怖くてできないから……」 「な、お尻の穴に指をだと?」 「やっぱり、だめ?……お尻の穴だもんね。嫌だよね……」 隆之介は、悲しそうな目で俯いた。 その姿を見た亜紀人は、はっとした。 (ま、まてよ。あのBL本はそう言う意味か。治療につかえないか調べていたってのか。そうか、そうだよな……) (ごめん、隆之介。俺は変な想像をするところだったよ。そこまで必死って事なんだな……よし!) 「いいぜ、隆之介! 指を挿れてやる。ほら、こっちにケツを向けろよ!」 「本当!? やった!」 隆之介は、嬉しさのあまり目を輝かした。 **** 隆之介は四つん這いになり亜紀人お尻を向ける。 そして、不安そうに後ろを振り返る。 亜紀人の目の前には、ピンク色の綺麗なアナル。 (す、すごい……ひくひくしている……) ゴクリ、と唾を飲み込む。 「だ、大丈夫……優しく挿れるからな……」 「う、うん……」 亜紀人は、割れ目に沿うように、そっと人差し指を当てた。 そして、マッサージするように撫でる。 アナルはキュッと閉められている。 「隆之介、力を抜いて……」 「……うん」 力が緩むと、ずずず、とめり込み始める。 その後は、ゆっくりと、ゆっくりと進む。 「どうだ? 気持ちいいか?」 「あっ、ああっ……も、もっと奥……」 隆之介の言われるがままに従う亜紀人。 指先に何かが当たった。 と、同時に隆之介の体がビク、ビクッ、と電気が走ったように痙攣した。 「はぁあんっ、そ、そこ、いいっ……もっと擦って……お願い……」 やがて隆之介のペニスは見事に勃起した。 しっかりと固くなり、小さいながらも立派に亀頭が剥き出しになった。 「隆之介、やったな。勃起している! 治ったぞ!」 亜紀人の言葉に、隆之介は瞳をウルウルと潤ませて答えた。 「……あ、ありがとう、あっ君……でも、まだ止めないで、お願いだから……」 指を出し入れする度に、あん、あん、と夢中で喘ぐ隆之介。 そして、勃起したペニスの先から、とめどなく吹き出す透明なお汁。 半開きの口。そこから漏れる甘い吐息。 (隆之介は、物凄く、感じているんだ……) (なんだろう、この感情は、もっと、もっと、隆之介が感じる姿がみたい……) 「……ねぇ、あっ君。もしかして、あっ君も勃起しているの?」 「え?」 隆之介に指摘されて、はっとした。 自分の股間を見ると、服の上からでも分かる程にガチガチに勃起している。 慌てて前かがみになり隠した。 「ば、ばか……これはだな……」 「……あっ君。挿れていいよ……ボクのお尻の穴に」 「え?」 「だって、あっ君もそのままじゃ辛いでしょ?……おチンチン」 「な……それは……でも、そんな事をしたら」 「いっしょに気持ちよくなろうよ、あっ君」 隆之介は、お尻をキュッと上げて、両手でお尻のお肉を広げる。 亜紀人のものを誘うようにぱっくりと口を開けたアナル。 「ね?」 潤んだ誘いの目で亜紀人を見つめた。 ****

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