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第30話

「ッアァ!はぁ…っんっ、な、なに!?何してるの⁉︎」 生温かいものに包まれて、手探りで伸ばしてきた手が渉の髪を鷲掴む。 「う、うそ!?や、やめて!やめて!!汚い!!兄様、そんなことしないで!!」 口へ咥えられている事を感じた咲也は体を起こして渉の頭を退かせようと必死に押し返した。 その抵抗があまりに大きくて、一旦中止して渉が顔を上げる。 「咲也、俺がする事に抵抗しないで」 優しい声で言うと、咲也は震える手をゆっくりと離して大人しくなった。 「ご、ごめんなさい!兄様…、ジッとしてるから……。怒らないで……。やめないでっ…」 兄の機嫌を損ねたと反省する咲也は唇を噛み締め、ベッドの上へと横たわった。 抵抗を完全にやめたのを見て、渉は改めて咲也の裸体へと視線を巡らせた。 ほっそりとした華奢な体躯は程よく筋肉がついていて美しく、きめの細やかな肌は今まで抱いてきたどの女達よりも肌触りが良くて吸付けられるような感触に気持ちがいい。 長くしなやかな四肢が自分の愛撫で戸惑うようにベッドの上を彷徨う仕草は経験のなさを感じさせる初々しさに笑みが溢れた。 今まで見たこのない咲也が見てみたいと、黒い感情が渉の胸の内を濁す。 「咲也……。これからは抵抗はするなよ」 低い威圧的な声で命じると、咲也はコクコクと何度も首を縦へと振った。 「イ、イくっ……、あっあっあっ…、にぃ様っ、ンァ……、俺、俺っ……またっ!アァーーー」 ぐちゃぐちゃと口に含んだ咲也のものを舐め回し、先端を吸い上げると咲也は全身を強張らせては渉の口の中で欲望を爆ぜた。 「ごめんなさァアッ!アッ……、はぁっん、だめっ、もうやめて!」 整わない呼吸でまた謝罪してくる咲也のものを間髪入れず吸い上げる。 すると、背中を反らせて続け様与えられる不慣れな刺激に咲也は悲鳴をあげた。 「ひぃ、はぁふぅんっ……んっ、んっ…も、もう出ません…やめてっ、下さい……」 まだまだガチガチのくせに自分の体をコントロールできない咲也は困惑し始めた。 だが、そんな抵抗もまた可愛くて渉は足を大きく開かせて持ち上げると今度は咲也の放ったものを下の蕾へと塗りつけた。 「っ!!」 ビクッと腰を一際大きく跳ねさせ、動きを止めた咲也の顔を見ようと視線を向けた。 目隠しされていても羞恥に顔を赤く染め、何かに耐える表情が伺える。 「最初は少し気持ち悪いかもしれないけど、我慢して」 ぬちぬちとやらしい音を立てながら言うと、渉は固く窄まる後孔へと人差し指を一本、挿入した。 「んっ!」 思いのほか、するりと入った指を根元まで押し進めると、軽く抜き差しする。 くぽくぽと音を鳴らして引き攣る孔に渉の下半身がムズムズしてきた。 滑りがいまいちかと指を一度抜き取り、咲也の腹や太ももを汚した精液を指に絡み付け、今度は中指と人差し指の二本を挿入した。 「ンッ、ンッ……」 少しくぐもった声が聞こえたが渉は気にせず、蕾をぐるぐる掻き混ぜて柔軟性を付けるように孔を広げていった。 「はぁ……、くっ…ンッンッ……」 ふと、苦しそうな声が聞こえて再び視線を上げると、今度は咲也が両手で口を覆って辛そうに耐える姿が目に映った。 「痛いのか?」 焦って聞くと、首をぶんぶん横へと振って咲也が違うと叫んだ。 「い、痛くない!痛くないから、早くっ……。早く、兄様の入れて…。俺を兄様のものにしてっ!」 兄に早く抱かれたいと、ただそれだけを望む健気な咲也に渉は同情心と心を覆うモヤモヤとしたよく分からない感情に襲われた。 「……ちゃんと抱くよ。だから、もう少し待って」 小さな声で呟くと渉は二本の指を蠢かし、中をぐるぐる蹂躙する。 気持ち悪いのか、浅い呼吸を吐き続けるだけで咲也は眉間に皺を寄せて苦悩に耐えていた。 そんな時、中のぷっくりした部分へ指の腹が触れた瞬間、咲也から甲高い声が上がった。 「あっ!」 咄嗟に上がった声に咲也は顔を赤くし、両手で口を覆った。 「ここか……」 見つけたと不敵に微笑む渉はその一点を集中的に捏ねまわし始めた。

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