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第208話

「だ、だめっ!やだっ!!バカっ!バカバカバカッ!!」 渉のストレートな物言いに心臓を射抜かれた咲也がボンっと顔を赤く染めたとき、渉の理性がブチっと音を立ててキレる。 咲也をガバッと横抱きにすると奥にあるベッドへ走って連れて行くと、ネクタイを外しベルトを抜いて事に及ぼうとする渉を咲也は暴れて罵倒した。 「無理。もう無理。我慢できない」 無表情で黙々と衣服を剥ぎ取っていく渉に咲也は赤い顔で最大限の抵抗を試みた。 ドカドカ足を蹴って、押さえ込もうとしてくる渉の腕を拳で殴りつけるが、渉はそれら全てを避けて服を脱がせる目的を遂行した。 「嫌だ!やめろ!!ばかぁーー!!!」 渾身の力で顔面目掛けた蹴りを寸でで躱され、更にその足を掴まれて大きく広げさせられた。 ズボンが既に膝まで脱がされていた為に下着は履いていたが、恥ずかし過ぎる格好に咲也はもう嫌だと両手で顔を覆い隠した。 いつもは殴られるばかりの渉だが、本気を出せば咲也より実力は上だ。 もう何をしても敵わないと踏んだ咲也はこれ以上抵抗しても無駄と察して、少しでもこの羞恥から逃げるように身を捩った。 「可愛い。好き、本当に大好き。咲也……」 太腿へチュッと音を立ててキスすると、その刺激にビクビク足を跳ねさせるウブな反応に渉は更に高ぶっていった。 するりとシャツの下へ手を這わせ、ピンクの飾りを指先で撫でると、感触を楽しむように何度も繰り返す。 「……ふっ、んっ…、ぅ……」 小さな喘ぎ声を出す咲也に気を良くし、渉はその飾りをキュッと摘んで引っ張り上げた。 「はぁっ…んんっ……、や、め……」 「やめない。今日は咲也のこと触り続けるから覚悟して」 手を退けて懇願したら、その手を押さえ付けて渉は距離を詰め宣言した。 見慣れた幼馴染みの顔が男の顔になっていて、咲也はその色気にゾクリと背筋を震わせた。 期待半分、恐怖が半分 それが正直な咲也の気持ちだった。 めちゃくちゃにされたいが、それが怖くもあった。 訳がわからなくなるのは怖い。 気持ちいい思いよりも恐怖が勝る。 「や、やっぱり、むり。いやだ……」 首を横へ振って、やめて欲しいと見つめるが、眼鏡を奪われ、乱暴に口付けられた。 「ぃ……ぁっ…、わ、っ……たるぅ……」 「その顔、逆だから……。誘ってるとしか思えない」 耳をカリッと噛んで囁くと、渉は上着を脱いで本格的に咲也の上へ覆い被さった。

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