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第69話

side 優一と綾人 「咲也君大丈夫かな?」 風呂上がり、綾人が門倉の顔の怪我を消毒しながら生徒会室でのことを話題に出した。 「さぁ〜、どうだろうね。でも、あいつにはいい薬だと思うけど」 「渉君が?」 「うん」 「渉君、モテそうだけど信用できるの?」 「さあ・・・」 さほど興味なさそうな門倉の返事に綾人はム〜っと顔を顰めた。 「なにそれ。咲也君が遊ばれるのはやだ!」 自分の弟なんだと、本心から嫌がる綾人に門倉は苦笑した。 実の兄弟でも、正直綾人ほど心配はしていない。 相手が渉というだけあって、例え遊ばれていてもそれ以上なにも大変なことにはならない確信があるからだ。 その辺の訳のわからない奴が相手でフラフラしてるのならば、何に巻き込まれるのか気に掛けてやらねばいけないのだろうが。 相手はあの九流家三男、ヘタレ王子だ。 長男の勇と次男の猛、そして自分にやたらと小間使いのような使われ方をしてきた渉を優一はなんとも思ってはいなかった。 今日の宣戦布告も飼い犬が珍しく吠えてきたなとしか思っていない。 それよりも、実の弟の咲也の方がよっぽど気難しい。 物事を卒なくこなす器用さもあるし、たくさんの秘められた才能もある。 短絡的で感情的になり暴走する短所はあるもののまだ開花されてはいない長所に両親はまだ気付いていない。 優一は咲也が自分への執着心さえなくなれば、その力もまた素晴らしいものに飛躍できると信じていた。 その一歩を踏み出させてくれるのが、形はどうあれ信用できる渉ならば騒ぎ立てる必要などない。 使えるものはフル活用するのが己のやり方だからだ。 「綾ちゃんは優しいね〜。なんだか、最近は咲也の話題ばっかりじゃん。俺のことより気にかけるなんていつの間に仲良くなったわけ?」 傷の消毒を終え、綾人が手を引くとその手を名残惜しむように優一は捕まえた。 「そんなわけないでしょ!門倉先輩が・・・」 「また、門倉先輩って言った!」 「あっ!」 しまったと口を押さえる綾人をニヤリと笑って距離を詰める。 「余計なことに気をとられてるからだよ。そんな悪い子はおしおきしようかな」 その嫌な笑みと言葉に綾人は寒気を感じ、逃げ腰となった。 side 優一と綾人 終わり

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