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第77話
「あっあっあっ…、はぁッ……ッンァア、ぃヤダッ!もう、そこヤメッ…」
腰を持ち上げ、中心のものを頬張られて後孔に指を三本挿れ、前立腺を捏ね回されている咲也はシーツをめちゃくちゃに搔き乱しながら泣き喚いていた。
何度も抵抗を試みたが、体格差と幼い頃から一緒に鍛えられていただけあり、自分の攻撃という攻撃が読まれて全く通用しない。
それどころか暴れれば暴れるほど体へ与えられる愛撫は激しさを増し、咲也は翻弄させられた。
「イきたい?」
「んんっ…、ハッぅ……イ、イきたいっ!イかせてぇ……」
何度と無く懇願した言葉を咲也が必死に訴える。
咲也が達しそうになれば渉は見計らったかのように口と指の動きを止めて熱が引くのを待ち、またゆっくりと丁寧な愛撫を再開した。
繰り返されるこの恐行に咲也の精神と体はボロボロになっていった。
「やっべぇ…。すっごいかわいい」
いつも強気で気高い咲也の顔が涙と涎で汚れては、卑猥な言葉で懇願する姿に渉の下半身は先程からずっと痛いぐらい張り詰めている。
「ここ、挿れていい?生で…」
後孔をぐちゃぐちゃと掻き混ぜながら上目遣いで伺うように聞いてくる渉に咲也のなけなしの意地が炸裂した。
「嫌だ!もう、やめるっ!!」
朱に染まった蕩けた顔で虚勢を張る咲也を優しく言いくるめるのは安易なことなのだが、なんとなくこの気位の高い精神を崩してやりたくなった。
「……本当にいらない?中、ぐずぐずでキュウキュウ締めつけてくるけど。奥、突かれたくてたまんないんじゃないの?」
三本捩じ込んだ指を拡げながら煽ると、咲也の瞳から新たな涙が流れた。
「う、るさいっ!もうっ、やめるったらやめる!俺に触るなッ」
意固地な性格が発動し、渉は小さく溜息をつくと指を三本引き抜いてトロトロと蜜を垂らしては震えている咲也のものへ口付けた。
「とりあえず、イかせてやるよ。それから決めな」
不敵に微笑み、そう告げる渉は限界ギリギリまで焦らしに焦らし抜いた咲也を追いたてるように口の中へと誘い、舌を絡ませた。
「んっんっぁ…、はうっ…!あっはぁッ…ンッアぁぁァーーー」
ガクガクと腰を震わせ、導かれるまま咲也のものは呆気なく渉の口内で弾けた。
ちゅーっと音を立て、先端を吸われ最後の一滴までも飲み干された咲也は荒い呼吸を繰り返す。
「ん。ごちそうさま」
ヤラシく微笑み、舌舐めずりしながら自分の上から退く渉を見上げが、咲也の涙は止まらない。
達したはずの体は満足したはずなのに、弄られ続けた後孔が先ほどから物足りなさにヒクついて疼いて仕方がなかった。
渉が言うように奥を突いて内側からの刺激を欲している自分の貪欲な体に絶望を感じた。
「シャワー浴びる?」
ベッドの端に座り、何事もないように声を掛けられて咲也は熱を孕み、疼く体にキツく瞳を閉じて唇を噛み締めた。
身を強張らせ、明らかに不完燃焼の様子の咲也に渉はニヤリと口元を歪め、命じた。
「挿れて欲しいなら自分で足抱えて開けよ」
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