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第78話

「なっ!」 恥ずかし過ぎる命令に目を見開き、文句を言おうとしたが、フッと柔らかな笑みを浮かべられて咲也は口を閉ざした。 「俺だって挿れたいんだ。咲也がおあずけ食らわせたんだろ?それぐらいサービスで誘ってくれてもよくない?」 上目遣いでにじり寄るように懇願してくる幼馴染みに訳がわからなくなって混乱した。 強気な態度で出てきてみたり、こうして殊勝な態度で絡んできたり、なんだか怖かった。 「咲也…、中に挿れさせて?ここを俺でいっぱいにして?」 長くスラリとした骨張った指が蕾をつついて、渉が囁く。 「好きだよ。咲也…、愛させてよ」 甘く熱い言葉の繰り返しに段々と咲也もほだされていくのを感じた。 蕾をつつかれ、疼く熱が再び沸騰する。 黒い瞳に言われるがままゆっくりと膝を立てると、咲也は真っ赤な顔で両膝の後ろへ腕を入れて足を開いた。 臀部が開いて秘部が曝け出され、己のはしたなさに顔から火が出そうなほど恥ずかしさを覚える。 「や、やっぱり……」 嫌だと足を閉ざそうとした時、渉の体が素早く割って入り込み咲也の足を押し開く。 「ここまできて待ったはなしだろ?」 低い声で凄むように言われた次の瞬間、熱くて硬い渉のものが一気に咲也の中へと捻じ込まれた。 「ひっ!っんっぁ…、アァーーーッ……」 疼く内側を思い切り擦り上げられ、奥へと到達しそうなほどの長さと大きさに目の前がスパークする。 呼吸が止まり、陸にあげられた魚のようにパクパクと口を開け閉めしていたらまたクスリと小さな笑い声が耳に響いた。 「今日は後処理もちゃんとするから、咲也は気を失うまで俺に付き合ってくれたらいいよ」 囁くようにとんでもない事を宣告してくる幼馴染みに焦点の合わない目を向けると、弧を描いていた唇をひき結び、大きく腰を振って奥の壁を突き上げられた。 「ァアア!んっ、ヤァッ……アッ、あたって……あたってるぅ…」 何度も勢いよく打ち付けてくる渉のものが最奥の壁を容赦なく突き上げてきて咲也は逃げようと膝を抱えていた手を離そうとした。 が、それを渉の一言で阻止される。 「ちゃんと足、抱えて。俺に抱かれたいって……、抱かれてるって意思表示して」 切実な瞳が熱を孕んで潤み、咲也は気がおかしくなりそうな快感に再び涙を溢れさせた。 渉に抱かれたいって思っている訳じゃない こいつが頼んでくるから…… だから、抱かせてやってるんだ 両足を抱え直し、咲也は回らない頭で言い訳を並べると、それを見透かすように渉は口元を笑みにした。 「安心しろよ。これからじっくり落としてやるから」 身も心も…… 聞こえるか聞こえないかの声で渉は告げると、もう話は終わりだとスッと目を細め、咲也の腰を掲げた。 バランスを崩し、戸惑う姿を捉えても気にせずそのまま腰を落としては咲也の中を蹂躙する。 ヒクヒクと入り口を痙攣させては内壁を絡みつけてくるやらしい体に持っていかれそうで渉は小さく声を漏らすと、呼吸を乱した。 「ごめん…。気持ち過ぎてもたない。一回イく……」 「アッアッ…、やっ、やだっ!中に出さないでっ…」 なけなしの理性で強請るが渉は無情にも咲也の最奥にて欲望を爆ぜさせた。 「んっ、ぃやぁぁ……」 ジワジワと中に広がる生温かい感覚にパニックを起こし、身を竦める。 その姿がまた一層、渉のなかの加虐心を刺激してすぐに下半身を回復させた。

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