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第102話

side 渉 寮の自室で鼻歌混じりで生徒会室での業務を一人でこなしていると、扉がノックされた。 「はいよ〜」 空いてますよ。の意味を込めたフレンドリーな返答に扉はすぐに開く。 そこには下級生の寮生が3人部屋の中へと雪崩れ込んできた。 咲也を避け続けて1ヶ月近く。 そろそろ自分恋しさに訪ねてきても良さそうで少し期待したが、今日も悲しきことに来客者は分かりやすいアピールをしてくる自分のファンだった。 「九流寮長!こんばんは〜」 「美味しいお菓子を持ってきたから一緒に食べませんか〜」 「ついでに宿題見てもらえると嬉しいです〜」 女の子顔負けなほど整った可愛らしい顔立ちの三人組は咲也と距離を置いて、渉が独り身と分かった途端に毎晩のように部屋へと来るようになった。 生徒会長職と併用で寮長職も担わなければならないのだが、まだ未熟ということで寮長職は副会長の綾人にも手伝ってもらっていた。 「あのさ〜毎晩毎晩、用も無いのに来られるのは結構迷惑なんだけど…」 苦笑しながらハッキリ伝えるも、渉の優しさなのか椅子から立ち上がり三人を迎えるようにソファへと座らせてやる。 「宿題は自分達でしなさい。お茶ぐらいは出してあげるけど、飲んだら帰ってね」 冷蔵庫からペットボトルのお茶を三本出して、三人へと手渡しながら釘を刺した。 三人は別段へこたれる様子もなくニコニコ笑ってお茶を受け取り、持ってきたお菓子を広げた。 「寮長のタイプってどんな子ですか?」 「俺らの中にはいません?」 「一回試して見て下さいよ〜」 ぐいぐいと大胆な質問も毎夜のことで、渉は失笑しながら答えた。 「俺、好きな子いるから。どれだけ誘われてもなびかないよ」 「でも、その子とは付き合ってないんでしょ?」 遠慮なしに聞いて来る質問に渉は痛いとこを突いてくるなと苦笑いした。 「まぁ……。でも、ちゃんと付き合うよ。だから浮気はしない」 ハッキリとした拒絶の言葉を告げると、三人のうちの一人が天井を見上げて盛大な溜息を吐いた。 「あー……。やっぱり門倉先輩には敵わないかぁ〜」 咲也の名前が出て渉はピクリと反応すると、残りの二人がお菓子を食べながら世間話でもするかのように口々に咲也の話題を出した。 「やっぱ美人だもんなぁ。すんごいモテるし」 「最近は潔癖の症状出てるからか、逆にフェロモン凄い出てるよね!武道してなかったら完全に輪姦されてるよね〜」 カラカラ笑い合う二人に渉はどうしても聞き流せない言葉に食いついた。 「潔癖の症状!?」

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